なかご(赤坂)

所用で赤坂昼下がり。
会社に帰る前にランチも済ませようとスマホで検索すると、澄んだ豚骨スープをウリにする店が私が立っている場所のすぐ近くにあるのを発見した。

澄んだ豚骨スープ?
遂に淡麗系の波は豚骨にまで及んだのか。
ラーメンに野趣のみを愚直に追い求めていたかつての私なら唾棄して黙殺したはずだが、私は成熟による多様性の受容と、加齢による味覚の変化及び脂成分に対するキャパシティの減少と、弊社のビブグルマンの異名を取る後輩の調教などにより、最早何の躊躇いもなくそのお洒落な店構えに突撃した。

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ところで「なかご」ってどういう意味なんだろう?

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海外で年を越し帰国翌日から仕事を始めて正月気分を全く味わっていなかった私は、朝から抜栓する元日の雰囲気を再現すべくグラスビールを注文した。
勿論会社には内緒である。

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オーダーは純粋豚そば醤油味。
豚骨感皆無の見目麗しいお姿は、「豚そば」という名の通り和食感漂う。

スープを一口。
思いの外強い旨味、しかし私には豚を感じられない。
どうやって出汁を取っているのだろうか?
デフォルトでも硬さの残るストレートの細麺は、博多風豚骨ラーメンとは似て非なるもので、これもまた淡麗系のトレンドと言えるようなもの。
旨い。
茹で加減が最高過ぎる。

具材も変わっていて、おでんのように煮込んだ大根、油揚げ、そしてすりおろしたからすみなど。
贅沢である。そして和食である。
私は自分で釣った魚でちり鍋を作るときには、大抵油揚げを入れる。
丁寧に取った出汁と油揚げの相性が良いからだが、まさにこの油揚げがスープの出汁と相俟って最高に良いアクセントとなっていた。

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更に秀逸なのがこのイクラ
ほんの申し訳程度にスープに混ざっているイクラが不意に口に入ると、ハッとするような旨さ。

替え玉はデフォより更に硬めでパツパツの食感が最高、スープもほぼ飲み干して予想以上に満足した。

なかなか昼時に赤坂に行く機会って今は少ないのだけれど、これは塩味も試したいところだ。

弊社のビブグルマンにも教えてあげなくては。
いや、彼が知らないはずはないか。