#小説

旅読書・・・騎士団長殺し/村上春樹

この作家とはここ10年ぐらいご無沙汰だったものの、昨年ポルトガル旅行のお供に持っていき約20年振りに再読した「ねじまき鳥クロニクル」が予想以上に面白かったので、未読の長編小説も文庫化されたら買おうと思ったまま忘れており、今回スリランカ旅行の2日…

旅読書・・・武蔵(花村萬月)

GWは8泊9日の長い旅。 お供には長い小説が欲しいところ。 そんな訳で今回携えたのは花村萬月の武蔵、全6巻。 Kindleのお陰で嵩張ることもなく、より荷物が身軽になって嬉しい。 さて、1巻を読み終えた時点では全く物語に入り込めず、むしろ、いかにも花村萬…

平成の終わり、小出監督の死。

改元。 遂に私の人生で3つ目の元号である。 しかし昭和が終わった時に比べれば、いや、別に比べるまでもなく、特に何の感慨もない。 何にだって終わりはあるということが、天命を知る我が身に染みて、よく分かっているからだ。 だからこそ、大事なものをとこ…

Kindle導入~旅読書・・・三国志(吉川英治)

忍び寄る老眼の進行対策として、先般Kindle paperwhiteなるものを導入した。 さすがは読書に特化した端末、スマホやタブレットとは段違いの読みやすさ、使いやすさである。 文字の大きさをカスタマイズ出来るだけでなく、バックライトの存在も老眼に優しい機…

「Y」佐藤正午

いやはや、1998年といえば、私は今の会社に転職して地方都市担当の営業マンとして毎月出張していた頃じゃないか。 出張のお供には必ず文庫本を忍ばせていたわけで、と言うことは毎月書店にも足しげく通っていたはずだ。 それなのに、この年に出版されたこん…

oracle night/Paul Auster

昨年の11月上旬、さる企画の打合せで某医師/音楽家の方と夕食を共にしていた時のこと、テーマは音楽を離れ表現全体に広がっていった。 「表現」については私も常日頃から考えていることもあり、非常に興味深く話を拝聴していた。 この方は多方面の表現/芸術…

旅読書~佐藤正午祭

その小説は成田空港第一ターミナルのシーンから始まった。 その時の私の心境を村上春樹風に表現すれば、「やれやれ、またか。と僕は思った。」といったところか? 何故ならばその時、私は成田空港第一ターミナルからヤンゴン行きの全日空機に搭乗し、バック…

旅読書、ポルトガル編。

私の中で「旅に出たい」という動機の30%程を担っているのが、心ゆくまで読書を楽しみたいという欲求である。 「暇潰しとしての読書」は16歳からの私の最大の趣味であったのだが、最早潰すような暇など持ち得ない残り時間の少ない今の私に、なかなか長時間読…

旅読書・・・「鳩の撃退法」佐藤正午

「こんな小説ありなのか?」 小説のキャッチならば相当に陳腐な言い回しだが(実際に帯にこんなキャッチの書かれた小説があったら関わりたくもない)、実体験として、実感として、身をもって、こんな感想を持つ小説と出会うことがある。 10年に一度、とまでは…

旅読書・・・上と外(恩田陸)

私が旅に出る理由の30%程をを担っているのが、心行くまで読書を楽しみたいという欲求なのだが、その時私は本なんて何一つ読みたくなかった。 そう、何も、読みたくは、なかった。 5月の半ばぐらいから本来の私の仕事とは関係ない仕事、というか労働、いや、…

旅読書・・・北の海(井上靖)

これは先日のジョージア旅行ではなく、GWのベトナム旅行に持っていき、帰りの便を待つハノイノイバイ空港のパブで読了したもの。 更に元をただせば3月にバンド合宿で北海道に1泊旅行した時に読んで大感動した増田俊也「七帝柔道記」にしばしばこの「北の海」…

旅読書・・・「夏草冬濤」(なつぐさふゆなみ)井上靖

「しろばんば」に続く自伝小説第二部、三島・沼津を舞台とした、主人公伊上洪作の中学時代を描いた物語である。 ところで中学生とは生臭くて気持ち悪い年代である。 子供のもつ無垢な可愛いげはないが、といって成熟とも無縁、身体的変化と性の目覚め、正に…

旅読書・・・「しろばんば」井上靖

私が旅に出る動機の30%程を担っているのが「心行くまで読書を楽しみたい」という欲求である。 積ん読の山は将来への希望として常にある程度の高さを維持してはいるが、折角海外一人旅に出掛けるなら、普段の通勤読書では満喫することが難しい、なるべく長い…

旅読書・・・七帝柔道記

好きなことだけをして生きたい。 しかし好きなことだけをして生きることはできない。 私は好きなことを現金化する術を持たず、一方で生きるためには金が必要で、更に好きなことをするためにはそれ以上の金が必要だからである。 だからこれ以上趣味を増やす余…

旅と読書とバイブルと

40を過ぎてからバックパッカーと化したワタクシ、大江健三郎的に言えば「遅れてきた中年」といったところだ。 旅好きな会社のパイセンが崇めているバックパッカーのバイブルとやらを、年末年始の台湾旅行に持っていった。 なにしろいくら遅れてきたと言えど…

旅読書

私が旅に出る理由の30%程を担っているのが読書を心いくまで楽しみたいという欲求であり、とりわけ日常生活の中での(主に)通勤読書ではなかなかに没頭することが難しい長編小説を楽しむためには、海外一人旅ほど絶好の機会はない。 昨年10月末のタイ旅行の際…

ドストエフスキー・グルーヴ

私が旅に出る理由の30%程を担っているのが読書を心いくまで楽しみたいという欲求であり、とりわけ日常生活ではなかなかに没頭することが難しい長編小説を楽しむためには、海外一人旅ほど絶好の機会はない。 GWのベトナム旅行に私が持っていったのはドストエ…

私の庭(花村萬月)

私が旅に出る理由/動機の30%程度(当社比)を担っているのが、長編小説を心ゆくまで楽しみたい、という欲求である。 暇と自分自身をもて余していた学生時代には本を読む時間がいくらでもあったのだが、フルタイムの仕事を持ち、やりたいことややるべきことも沢…

たびを

先日の台湾旅行の際、行きの飛行機で読み始め、帰りの飛行機で読み終えたのが、この花村萬月著「たびを」である。 ハードカバー、活字は二段組で1000頁というこの重くて分厚い小説は、バックパッカーには大変な重荷ではあったけど、結果的にはこの旅をより豊…