迷走名店鳥の餌・・・BASSO江戸川橋

開店早々長期休業、再開早々長期休業、迷走する名店として精神的な脆さを露呈し続けていたBASSO江戸川橋
味はいいんだけど塩辛過ぎる、という欠点も失せ、漸く安定期に入ったと思ったのも束の間、前回訪問時には先祖返りしたかのような猛烈塩分つけ麺が出て来て暫く足が遠退いていた。

久し振りに恐る恐る訪問。

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特製中華そば。
試しにスープを一口。
うん、過剰な塩辛さはない。
しかし私の記憶よりも出汁が薄くてオイリー。
とは言え味覚は体調や気候などのファクターにも左右されるし、記憶力に関しては二日前の夕食すら思い出せない脆弱さなので、断言は出来ないのである。

麺も茹ですぎかなー。
確かにこの店は個人的には常に柔らか目と感じる茹で加減なのだが、今日の麺はとりわけ柔らかく感じる。
しかし私の記憶力の脆弱性は既に述べた通りなので、これもまた断言は出来ないのである。

手の込んだトッピングは旨いけど、麺とスープがイマイチであったのは迷走の名残故か、私の記憶力の脆弱性故か、或いは何らかの他の理由によるものかは定かでない。

そして後味に不思議な雑味が残る。
それは芳香にも似た、鼻腔と舌と双方に残る雑味だ。
この香りは遠い昔に嗅いだことがあるような気がする。

店を出て歩きながら考えていると、ふと思い当たった。

これは子供の時分に飼っていたセキセイインコの餌の臭いじゃないか!稗とか粟とかの名前は知ってるけど馴染みのない穀物類は、この鳥の餌で学んだ気がする。
そして子供故のアホさ加減に、実際に口にしてみたこともある。
当然不味かった。
しかし二日前の夕食すら思い出せないというのに、40年前に嗅いだ鳥の餌の臭いを覚えているというのも妙な話である。記憶というものはとても不思議だ。

この日、BASSO江戸川橋のラーメンは、私の記憶に「鳥の餌味のラーメン」として上書き保存されたことは確かだ。

どうせそれも直ぐに忘れるだろうけどね。