江戸前平目

猫もまたぐという夏ヒラメ。
しかし第二忠丸の老船長は、江戸前のヒラメは夏でも旨いと宣う。

更に魚料理には一家言お持ちの船長、美味しく食べるコツを幾つか教えてくれた。

亀の甲より年の功、しかもお相手は東京湾のレジェンダリー･キャプテンUG、仰せの通りにお造りを･･･｡

なにこれ、ウマッ！
はっきり言って真冬の南房のヒラメなんて比較にならない旨さだ。

卸すときに出刃を入れた瞬間に身の締まり具合が明らかに違うことは窺えたが、歯応え、旨味、身の厚み、全てが予想を遥かに上回った。

恐れ入ったぜ、江戸前平目！

魚に旬があるのは紛れもない事実で、湾奥のアジも冬場は淡泊な味となるし、真夏の剣崎カワハギは臭くて閉口したこともある。

しかし季節要因以上に、産地による味の違いも随分と顕著だ。
やはり釣りは東京湾に限る！

とは言え、東京湾でヒラメ専門の乗り合いなんて聞かないし、これは狙って釣れるものではない高嶺の花ということで、今後も幸運な邂逅がありますようにと願うのみである。