かりそめ･･･そば新京急蒲田店

立ち食いそば店が宿命的に持つ「かりそめの食事感」という哀愁と切なさが好きである。

これは決して回転寿司屋では味わうことの出来ない種類の感慨である。

そんな立場の立ち食いそば店に過剰な旨さを求めることは不粋であろうが、とは言え頑然たる店舗間格差が存在するのもまた事実。

蒲田に2店舗あるそば新は、通常のそばのアップグレード版とも呼ぶべき「石臼そば」をラインナップしており、自ら差別化と本物感を打ち出している良店だ。

所用で鹿児島に向かう途中に京急蒲田のそば新で朝食を。
気分はトルーマン･カポーティー。

石臼天玉そば。

茹でおきのそばをざっと湯煎する通常メニューと異なりオーダーが入るたび一杯毎に茹でる生麺は立ち食いそばとしては非常に贅沢。

しかしねぇ。

この一杯はちょっと茹で過ぎではないかというほどのクタクタ麺。
歯応えも香りも台無しでありました。

生麺故に作り手の技量が問われる石臼そばは、ある種の博打なのかもしれない。

と言ってもノーマル麺に70円足すだけなのでリスクの低い賭けではあります。