成都放浪記~ろう中へ(5/2)

ろう中。
ろうの字は門構えに良い。
スマホでもタブレットでも変換出来ないので、恐らく日本語には無い漢字だろう。
しかし三国志には蜀の重要な拠点として登場する、とてもメジャーな都市なのである。

そのろう中に高速鉄道で行けると知り、俄三国志ファン、特に蜀ファンの私は行かない訳にはいかないのであった。

ところで中国高速道路に乗るまでの手順は日本と異なり、いや、私が知る限り世界の何処の国とも異なる煩雑で厳しい手続きがあり、戸惑った。
この辺りは旅行記に特化したブログをご覧頂くことにして説明はしないが、前日のバス事件から余裕をもって行動しておいて正解だった。

ろう中駅からバスに乗って古城へ。
ちなみに中国語で古城とは古いお城を指すのではなく、歴史のある古都を意味する。
酒店が酒屋ではなくホテルを意味するが如し。

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適当にバスを降りてしまったので、こんな生活臭漂う哀愁エリアに迷い混んでしまった。
しかし素敵である。諸葛孔明が着ていそうな長い服、これは飾りか実用か?

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古城のど真ん中に入ると、やはり人は増えてきた。
中国の魅力を味わう為には、人込みに耐えなければならないという法則的なものが私の中に諦念と共に根付いてきた。

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張飛廟の張飛像。
俄の薄っぺらさ全開で恥ずかしいのだが、鳥肌が立った。

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張飛の墓陵。
味方に寝首を掻かれた張飛の無念に手を合わせるのみ。

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あわわ(;´゚д゚)ゞ、これは正しく桃園の契り!劉備関羽張飛が義兄弟となったシーンですよ!
俄似非ファンの薄っぺらさ大全開でみっともないことこの上ないのだが、震えるような感動が押し寄せる。

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嗚呼、カッコいいぜ、張飛

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馬超vs張飛。これも三国志のなかで忘れられないシーンだ。

散策は続く。

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大きな孔子廟にあった孔子像。
孔子廟って台湾にも沢山あるし、ベトナムでも見た。
偉大な歴史上の人物であることは理解出来るのだが、私は孔子について何も知らないに等しい。
かえすがえすも三国志を読んでおいて良かった。

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やさぐれ狛犬

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中天楼という搭。
有料で、さらに60人ずつしか入れないというハードルはあるが、登るしかない。

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と、私が登った瞬間に音楽が大音量で鳴り響く。
ベランダ的な部分の四隅で、四人の美しき踊り子たちが音楽に合わせて踊っている。
下界の民たちは一斉にカメラを向ける。

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中天楼からの景色。瓦がなんとも言えずに良い。

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下界に降りて散策を続けていると、売店張飛ビールなるものを発見してリアクション・バイト。
500mlで5元(90円)とコンビニのビールよりも安い。
しかしアルコール度数わずかに2.7%、薄くて不味い中国ビールの中でも特に薄くて不味く、豪気な張飛に対する冒涜としか思えないのであった。

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そのまま歩いて高速鉄道の駅へ向かう。
途中ろう中のシンボル的な川を渡る。
中国の川の色は、日本のそれとは随分と異なるような気がする。

成都に戻り、ホテル近くの安食堂で餃子と豆腐脳とビールで簡単に夕食を済ませ(しかしどこで何を食べても旨い)、コンビニで酒を買い求めから部屋に戻った。
最近は殊更に夜遊びを好まない私である。