壬生(池袋)

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なぜ蕎麦にラー油を入れるのか。

知らねえよ、俺が入れたんじゃない、お前が入れたんだろうが!

しかし、疑問符ではなく句点で終わっている店の看板。
これは私に問うているのではなく、世間一般という名の三人称複数が容易に持ちうるであろう疑問を文字化して対象化を図り、その答えは店内にあるという態度を示すことによる誘導なのであろう。
何故だか私の心はささくれだっているようだった。
受け入れ難きを受け入れざるを得ない組織の論理に対する激しいレジスタンスが渦巻いているようだ。
まったく、天命を知る歳を迎えるというのに、青臭いことだ。

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オーダーはとろろ肉そば中。
セルフで卓上の天カスと生卵をつけ汁に。

蕎麦としてはジャンクとしか言いようがないが、麺類としては断然アリ。
ラー油を入れる答えを全身で受け止める。

まるでこんにゃくのような情緒のない食感の蕎麦だが、何故だか蕎麦湯は上物なのも不思議。
うん、いいですね。

店を出る頃には心のなかの嵐も収まり、件の看板も好意的に見ることができた。

もしかしたら私は単に空腹だっただけなのかもしれない。