悲劇と喜劇の狭間・・・CoCo壱番屋

サラリーマンの悲劇とは、見方を変えれば喜劇でもある。

我々の運命は、時に紙ぺら1枚に左右されてしまうのである。

愛なき世界。

そんな悲惨かつ滑稽な予告を受けた年末のある日の昼下がり、しかし俯瞰でみれば会社での運命だとかミッションだとかに変化はあっても、そしてその裏に仮にいかなる悪意が潜んでいたとしても、私の人生には大して影響がないとも言える。
生活基盤を維持する為の経済的理由では会社に依存している部分もあれど、精神的には全く依存していないのだ。

白けた気持ちで会社を出る。
下らない昼飯でも食いますかね。

イメージ 1

CoCo壱番屋納豆カレー、3辛、半熟卵。
カレーと納豆と卵の組合せに、何故だか強く惹かれる私である。

ちなみに私にカレーをサーブしてくれたのは、以前に見掛けたことのある、「アニメ好きが高じて日本に留学してしまったフランス人青年」という風貌の若き白人男性であったが、顔を見ずに普通に聞き流すと最早日本人店員と聞き分けられない程に自然な日本語を使っていた。努力もしたのだろうが、流石若者の吸収力は凄いな。私も己の研鑽を頑張ろう。
君ももっと頑張るんだぞ、アニメ好きが高じて日本に留学してしまったフランス人青年よ!
しかし彼の名札を見ると、フェデリコ、と書かれていた。
うーん、もしかしたら彼はアニメ好きが高じて日本に留学してしまったイタリア人青年なのかもしれない。
そもそもアニメなんかに全く興味はないのかもしれない。
いや、むしろCoCo壱で働くことことが彼の目的なのかもしれない。
日本式カレーとは、ラーメンと並ぶほどにB級和食としての確固たる地位を海外からの観光客の間で築いているのである。

伝票を持って席を立つと、レジで対応してくれたのもまた彼であった。
この彼に対するモヤモヤとした気持ちをどう伝えていいか分からない私は、無言で支払いを済ませ、ごちそうさまと店を出る。
流暢な日本語で「ありがとうございました!」と返された。
こちらこそ。