家の厄年

千倉まで遠征して撃沈に終わった翌朝、私は釣りの翌日にありがちな擬似時差ボケにより早朝覚醒、ジョギングしたり自己研鑽に励んだりとそれなりに有意義に朝の時間を過ごした。
何があろうとも前だけを見て、前に進んでいけば、大抵の物事はなんとかなるのである。

しかし、出掛けにトイレでトイレでしか出来ない用事を済ませてさぁ出掛けようとしたその時に、信じがたい光景が目に飛び込んできた。

床がびしょ濡れじゃないか!
水は便器後ろを中心に溜まっている。
水を拭き取り漏水箇所を探すも見つからない。

とりあえず私は9時の営業開始時刻を待って、LIXIL修理受付センターに電話をかけた。

8月の落雷に伴う停電でトイレの基盤が壊れて交換の憂き目にあったばかりで、私が電話番号を口にしただけでLIXILの電話受付女史は私の個人情報を認識した。

水回りである。
水が漏れ続けている訳ではなく小康状態を保っているが、激しい漏水が発生したら階下の住人にも迷惑をかけてしまう。

幸い、修理工は14時頃に来れるとの折り返しの電話があった。
前日釣りで仕事を休んだばかりだというのに、今日はトイレの修理で夕方出社である。
ダメな社員の見本のようではないか。

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家にあったカップ麺で昼食を済ませることにした。
セブンイレブン限定の「蔦 味噌の陣」である。
ポルチーニ茸香る別添オイル付きとあるが、多少人工的な匂いもしないではないけど、確かにポルチーニ茸の香りがする。トリュフっぽくもある。ホタテっぽくもある。
味噌の味は強くない。
しかし、柔らかいのにコシがある不思議な食感の麺が特に印象的である。

あ~あ、本当は釣りの前に船宿で、もしくは釣りの最中に船上で食べる予定だったカップ麺、平日の昼間に家でトイレ修理工を待ちながら食べる羽目になろうとは。

割り切れぬ思いからついつい黄金色に輝く泡立つ炭酸飲料黒ラベル500ml缶のプルタブを引いてしまったことは会社には内緒である。

予定通りの時刻に修理工はやってきた。

原因はウォシュレットの洗浄水を溜めるタンクの破損とのこと、タンク交換で22,000円ほどであった。

今年は洗濯機の故障→買い替え、エアコンの故障→買い替え、給湯器の故障→全交換、トイレの修理も2度目だし、おまけにベースの修理に11万円、厄年でもないのに、厄災に見舞われ続けているような気がする。

厄年という概念が迷信というよりは統計学から来ているように、今年は2005年に新築で購入した我が家の厄年に当たるのかもしれない。

まぁいい。
形あるものは皆いつか壊れるのだ。
嘆いたところでしょうがねぇ。

工事を終えて金を払い、足取り重く会社に向かうと、京浜東北線は踏切内安全確認の為とかいう理由で止まっていた。

私は急性悲観主義を患った。