ポルトガル放浪記~大聖堂、最西端、激哀愁(10/25)

リスボンの街を歩く。
歴史ある一国の首都にしては小じんまりした印象だが、それが良い。

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カテドラル。
目の前の急勾配急カーブの細い道を、トラムが走る。

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圧巻である。
荘厳である。

花村萬月の王国記を読んでしまった私には、カトリックに対する冷ややかな視点のようなものが知らず備わってしまったのだけど、何と言うか、それとこれとは話が別です!といった説得力がある。

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ロシオ駅から国鉄に乗って、世界遺産の街、シントラを目指す。

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鬱蒼と茂る森と古い建物。
雰囲気のある街だが、地図によると見所は結構離れた場所に点在しており、相変わらず観光客は多く(かくいう私も観光客な訳だが)、歩いて行けそうな2箇所に絞って散策。

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煙突が2本突き出た変わった形の建物は、15世紀から19世紀かけて王族が住んでいたとのこと。
その割には室内は質素。
外部も内部も工事中で、見学できるエリアは限られており、隠された場所に豪華絢爛な何かしらが潜んでいたのかもしれないけど。

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更に20分程山道を歩いて、こちらレガレイラ宮殿。
12世紀に建設された王族の別邸を利用して、20世紀前半に、イタリアの建築家ルイージ・マニーニによって改築された宮殿とのこと(wikipediaより)。

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やたらと広く、変な仕掛みたいなのも点在し、確かに「RPGのような」と形容される理由がわからないでもない。
私はRPGなるものを殆どやったことがないのだけど。
これ、隅から隅までみたらかなり時間がかかりそうだ。
という訳で適当なところで切り上げたのだが、後から知ったところによるとイニシエーションの井戸という最大の見所を見逃していた。
ま、縁が無かったということで。

シントラ駅に戻ってバスに乗る。
いよいよ目指すはユーラシア大陸最西端、ロカ岬だ。
バスは細い山道をビュンビュン飛ばす。
この国は何処もかしこも坂だらけなような気がする。
何、自称坂の街だって?
アマいぜ、長崎!スゴいぜ、ハズキルーペ
ポルトガルは坂の国だ!

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「cabo da roca!」
と20年後の堺雅人のような風貌のドライバーが絶叫した。
乗客は皆降りた。

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ここがユーラシア大陸の西の果て。
世界の終わりである。

侵略者達は東からやってくる。
ポルトガル大航海時代の主役となったのは、そうならざるを得ない地理的要因が大きかったのだろう。
そして、南半球のブラジルで、アフリカの一部で、ポルトガル語公用語なのである。人口僅かに1000万人のポルトガルだが、ポルトガル語話者は2億5000万人もいるそうだ。スゴいぜ、バスコ・ダ・ガマ
アイルランドの西海岸、そしてアラン諸島にも世界の果て感はあった。
しかしそれはケルト人が西へ西へと逃れ、遂に制圧された、終わった世界の物語だ。

西の果て。
アメリカの西海岸にこんな哀愁ないもんね。
やはりこここそが世界の最西端なのだ。

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大勢の観光客と(って私も観光客ですが)一緒に夕陽を待つ気もおきず、私はビールを一杯飲んでからバスと電車を乗り継いで、リスボンに戻る。

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黒鯛?

そうだ、ファドは2度も聴けたけど、それはレストランにおける余興としてのファドであり、一度はファドを聴かせるついでに食事も出来る店でより本格的なファドを聴いてみたい。

私は宿から程近い(徒歩30秒)ところに老舗ファドレストランがあることをつきとめ、行ってみることに。

入店するとまずは店員がファドについて説明してくれた。
そしてステージは8時以降、20分の演奏、20分の休憩、という感じで延々と続くという。

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食事は店員さんオススメのタコを貰う。

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ギターは3人。真ん中のギターラと呼ばれるポルトガル12弦ギターが奏でるメロディが良い。ギターは流石に前夜聴いた演奏と較べるべくもなく上手い。

しかし...唄はオレンジの服着た太ったおばさんの方が沁みたなぁ。

私にはファドの真髄はわからないのだろう。

デザートを断り、もう少しファドを堪能したくて食後に白ワインのハーフを頼むという暴挙に出た。

2時間半たっぷり楽しんで、ミュージックチャージ込みで60ユーロは高いか安いか妥当か?
まぁ、気の効いた頼み方したら40ユーロぐらいで収まりそうではある。

今日は寝酒のポートワイン買いに行く元気もなく、ホテルに戻って爆睡。