ベトナム放浪記~さらばベトナム、帰国(5/5)

ホテルで朝食を済ませたら、チェックアウトまでの短い間に町歩きなど。

まず向かったのはancient house。
19世紀に建てられた中国式の古民家を保存した観光施設である。
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日本の古民家とも相似したところもあり、なんとなく懐かしさを感じないでもない。

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次いで旧市街の城門。
かつてはハノイに16あったとされる城門の中で唯一現存するもの。

ハノイの旧市街は道も建物も特長があり、旧市街の中と外ではまるで雰囲気が違うのだが、かつては城門に守られた地域であったと理解すれば、内と外との違いも、なんとなく腑に落ちるものがある。

その後あてもなくブラブラしてホテルに戻り、フロントで空港への車の手配をお願いしたら、さぁ荷造りをしなくては。

お土産(自分のも含め)でかさが増し、バックパックに収まりきらない。
私はほぼ開かなかったガイドブックと、読み終えた本の一部、そしてトレッキングの途中で有刺鉄線に引っ掛かり裂けてしまったハーフパンツをゴミ箱に放り込む。
「人生とは積み重ねでなく積み減らしだ」と岡本太郎は言っている。
ならば人生の縮図である旅も、積み減らしであるべきなのだ。

フロントでチェックアウト。空港への車が15ドル(まぁ安い)、昨日のドゥオンラム村への車のチャーターが60ドル(結構な高さ)、締めて75ドルをカードで支払い、別れを告げて車に乗り込む。

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紅川に架かる総延長3000mに及ぶ東南アジア最大のこのニャッタン橋は、日本のODAにより建設されたものである。
この橋のお陰でノイバイ空港とハノイ市内の所要時間は半分ほどになったのだそうだ。
という話を、私は初めてハノイに来たときに私を迎えに来たドライバーから聞いたのであった。

そう言えばネパールでも、カトマンズからナガルコットという地方都市に向かう途中、それまでの悪路とは天と地ほどの差がある綺麗な幹線道路に出たとき、おもむろにドライバーから「この道路だけ綺麗だろ?この道は日本が作ったんだぞ」と言われた。

ODAと私には何の関係も無いが、ドライバーがそのことを知っていて、それを私に教えてくれることがなんとなく嬉しくもあるのだった。

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予めチェックインを済ませていたこともあり、また出国手続きもスムーズだったので出発まではかなり時間があった。
私はビールを飲みながら読みかけの井上靖「北の海」を読み終えた。
しろばんば」「夏草冬濤」から続くこの長大な自伝小説は、50年以上も前に書かれたとは信じられないぐらい、生き生きとした魅力に溢れ、その淡々とした筆致と相俟って私はすっかり魅了されてしまったのであった。

帰りの飛行機も行き同様満席だったが、何故だか私の隣は空いており、とてもゆったりとすることが出来た。
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行きの飛行機で私を魅了した、異様に良い匂いのする綺麗なベトナム人キャビンアテンダントは、残念ながら帰りの便では見かけなかった。