ラーメン訪ねて三千里・・・荒木屋(蒲田)

それはチェンマイのホテルでのこと。

朝、いつもと同じように腕時計を左腕にはめようとするも、留め具がカチッと鳴らずにバンドが留まらない。

不審に思ってよく見ると、留め具の突起が破損している。
20年以上の長きに亘り愛用している我が時計、いくらタフな200m防水仕様とは言え、経年劣化に加えて汗かきの私による塩害も甚大で、暑いタイでの連日の町歩きによる多量の汗がとどめを刺したようだ。

昔使っていた時計はいずれも行方不明、私には予備の時計がなく大変に不便なのである。所詮私は時間という人為的に作られた便宜的な基準に支配される社畜という名の奴隷に過ぎない。

そんな訳でフレックスタイムを利用して出社前に蒲田の時計店へ立ち寄る。
この10年ばかり我が時計が不調をきたした際にいつも診てもらっている安心と信頼の店舗だ。

最早修復不可能との診断で、バンド交換となる。
メーカーの純正バンドは恐ろしく高いので、店内在庫から見た目が似たものをチョイスした。
これでもう暫くはもつであろう。
むしろ先にくたばるのは私の方かもしれない。

さて、用事を済ませたら会社に行く前に旨辛系ラーメンを食べねばなるまい。
なにしろここは蒲田なのだから。

8泊9日のタイ旅行、ご当地料理フェチに加えてタイ料理が大好きな私は旅の間に日本の食事が恋しくなることは皆無だったが、ラーメンだけは別なのである。

開店10分前の到着で期せずしてポールポジションだったが、開店の頃には店内キャパを超える人が。
ブームは落ち着くどころか、最近ますます人気が高まっているようだ。

本日の限定はすっかりお馴染みの海鮮メニューだったので見送り、個人的な定番メニューの冷し五目麻婆をオーダーした。
はずだった。

イメージ 1

おおおっ!なんだこれ!?
冷し五目麻婆超豪華海鮮バージョンが提供されましたよ!

いやー、なんたる幸運、もってるなぁー、俺って。

愛する定番メニューに海鮮の旨味が加わった一品はえも言われぬ旨さ、無力な私はただうち震えるのみだ。

最高でした、ごちそうさま。

荒木屋の唯一の問題はニンニク含有量が多く、花粉症の時期を除くと平日の社畜のランチには全く適さないということである。

焼け石に水とはわかっていても、私は近くのコンビニで消臭作用のあるとされている飲むヨーグルトとリンゴジュースを買い求め、駅までの道すがらに両方とも飲み干すと、ささやかな務めを果たすべく家畜小屋へと向かった。