アイデアの敗北・・・トナリ丸の内店

アレルギー検査の結果を前に、医師は首を傾げるばかりであった。

つまり血液検査によれば私のアレルギー反応はスギとヒノキという樹木反応に限られ、ブタクサ、イネ科、ハウスダスト、食物、果物類などその他のありとあらゆる項目が陰性であり、今私に現れている激しいアレルギー症状の原因が皆目見当つかないというのである。

私は「アレルギー検査に意味はない」という地元の医師の言葉を受け入れることが出来ず、セカンドオピニオンを求めてこの東京駅近くのクリニックを訪れた訳だが、はからずもアレルギー検査の無意味さを違う意味合いで証明したに過ぎなかったのである。

気休めの漢方薬を処方してもらうと徒労感はいよいよ高まり、命の危機すら覚え始めた私は体勢を建て直すために丸の内のタンメン専門店へと向かった。

開店5分前で私は列の3番目。一時よりもかなり人気が落ちたものだと思ったのは早合点で、開店と同時に店の前には大行列が形成された。

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私の哀しみを癒してくれる崇高な黄金色に輝く泡立つ炭酸飲料。
日本を代表するオフィス街の午前中、恐らく私以外の客の殆どはエリートサラリーマンであり、広い店内でかような不適切飲料を嗜んでいるのは私のみであった。
しかし私はマイノリティの苦しみを克服したのである。

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オーダーはタンツケ、麺大盛り、生姜ダブル。

この日私は二つのことを学ぶこととなった。

ひとつはトナリで大盛りを頼むと麺の量は非常に多いということ。
もうひとつはタンメンはつけ麺には適さず、ノーマルの方が遥かに旨いということである。

何事も経験だ。