ベトナム放浪記~ダナンへ(5/3)

フエからダナンへの移動日。

トンネルの開通によりかつては山越えの有名な難所であったハイバン峠は今では観光名所になっているわけだが、実際トンネルの恩恵でダナン~フエ間は約30分以上短縮されたそうなのだが、私はこの峠をどうしても通ってみたく、ホテルのフロントにお願いして車をチャーターした。

前日はツアーに参加したが、元来集団行動の苦手な私は異国において車(あるいはトゥクトゥク)をチャーターし、マイペースで観光することが好きなのである。

ホテルに私を迎えに来たドライバーはリアシートのドアを開けたが、私は助手席に座らせてもらう。
景色を楽しむにはリアシートよりも助手席の方が良い。

ドライバー氏は英語をほぼ話せず、私はベトナム語を全く話せないので、氏の所有のベトナム人ミュージシャンのCDを聴きながら寡黙にドライブ。
気をつかわなくて良いし、これはこれで良いものである。

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まずは、ランコー・ビーチという綺麗なビーチで途中下車。
立派なリゾートホテルのある、綺麗なビーチだ。
「乱行ビーチ」と聞くと私の世代は新島や神津島を思い出す訳だが、ここランコービーチはとても静かで人も少なく、折り目正しいプライベートビーチのようだ。

しかしビーチリゾートの類いに全く興味の無い私、砂浜は所謂「鳴き砂」らしいのだけど、ビーチサンダルなんて持ってないし靴を砂まみれにするほどの童心もないし、そもそもビーチとは私の好きな海とは似て非なるものである。
そんな訳でほぼ素通りした。

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さてハイバン峠である。
いろは坂並の急勾配急カーブが27kmも続く一大スペクタクル峠道、これが海のすぐそばにあるという不思議な地形はなかなか変わっている。
つまり山がそのまま海へと落ち込んでいるようなのだ。

生憎と靄というか霞がかかって視界はクリアで無かったけど、絶景である。
そしてこの峠、道路だけでもなく線路も通っていて驚いた。
鉄道でのハイバン峠越えというのもなかなか趣がありそうだなぁ。

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頂上で暫くのんびりしてからドライブ再開。

一旦ダナンを通り越してホイアンとの間に位置する五行山へいってもらう。
このように好き勝手にアレンジ出来るのがチャーターの良いところ。

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大理石で出来た山腹の洞窟の中は、天国と地獄を同時に体験できるアミューズメント・パークの様相だ。
コウモリの鳴き声も絶妙な効果音である。

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洞窟内ではコンチネンタル系集団とペニンシュラ系集団の仁義無き闘い状態で騒がしいことこの上なかったが、ここは外せない場所であった。来て良かった。

その後予約してあるホテルまで送って貰ってドライバーとはお別れ。4時間半の観光付きドライブでUS$65はベトナムの物価水準ではかなり高いけど、総走行距離100km超、タクシーで熱海に行くようなものだと考えればその価値は充分にあった。
ちなみに観光を放棄して単にフエからダナンまで真っ直ぐバスで行けば500円か600円そこらなんだけど。

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ホイアン、フエを経由してダナンに至ると率直に都会だなぁ、という印象である。往々にして都会より田舎が面白いのはいずこも同じ、適当に街を歩き、喉が乾いたらビールを飲み、腹が減ったら飯を食い、夜が更けたらさっさと寝た。