中華料理店カレー事情・・・栃尾(護国寺)

昔々、と言ってもここ数年のことだけど、蒲田の老舗中華料理店「大三元」が惜しまれつつ閉店した。

ご夫婦二人で切り盛りしていたお店、高齢と後継者不在による閉店、まさに歴史の終わりである。

ここは本当に普通かつ昔ながらの「街の中華料理店」という店だったのだが、曜日限定で提供されるカレーライスが特に人気があった。
特別に凝ったカレーではなく、家庭のカレーがとても美味しく出来た感じだった。
最早食べられないとなると妙に懐かしい。

さて、護国寺にあるこれまた家族経営の普通の街の中華料理店、栃尾のメニューにもカレーライスがラインナップされているのであります。

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いやー、これはちょっと他に類をみないカレーである。

半オープンキッチンなのでカウンターからチラチラと大将が料理している姿が見えるのだが、私のカレーがオーダーされるやいなや、フライパンで玉ねぎと豚肉を炒め始めた。
そしてそこにスパイス、カレーペースト、ソース(!)などを加えていく。
てっきり寸胴鍋に仕込んであるカレーを温めて出すのだろうと思っていたが、完全なるワンオフである。

考えてみれば中華料理店でカレーを頼む人の方が少数派、こちらの方が理にかなっている。

味も独特。
家庭のカレーとも、カレーレストランのカレーとも、蕎麦屋のカレーとも、当然インド料理店のカレーとも全く異なるオリジナリティの塊である。
ちょっとソースの主張が強すぎる気がする。

これがカレーライスだと断言されると微妙な心持ちになる味だが、アリかナシかの二択ならばアリでしょう。

しかしこの店には他にも気になる料理が満載の為、リピートは恐らくない。