ハシル

東京で10月に真夏日となったのは3年ぶりとかで、残暑厳しくまだ秋は先なのかと暗澹たる気持ちになっていたら、翌週あたりから急速に秋めいてきた。

寒くもなく、暑くもなく、憎き杉と檜の花粉も飛ばない秋は、私が最も好きな季節であり、最もストレスなく過ごせる時期でもある。

日増しに夕暮れが早まる哀愁、スーパーに並ぶ秋の味覚、気候だけでなく私の心を刺激することが沢山。

そして何よりも暑くもなく、寒くもなく、花粉も飛ばないとなると、走ることが最高に気持ちが良い。


この3ヶ月、ろくすっぽ釣りにすら行けていない訳だが、私のファーストプライオリティである釣りが疎かになっているということは、とりもなおさずジョギングや自己研鑽やバンド活動や旅行や読書といった私が日常的に好んで行っていた他のこと全てもが疎かになっていたということに他ならない。

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完璧な秋空の下、私は出勤前に軽く5km程走った。
記録を紐解くと出勤前に走るのは7/5以来実に3ヶ月以上ぶりなのであった。
薄々感ずいてはいたが、やはりそれなりに忙しかったのであろう。

朝は少し肌寒いくらいの陽気、空気はピリッと澄んで、ゆっくり走り出すと徐々に身体が温まり、汗とともに前夜のアルコールやら身体の老廃物が流れていくような気がする。
頭もどんどんとクリアになり、やがてセカンドウインドが訪れる。

静かな朝の多摩川の土手。聞こえるのは鳥のさえずり、自分の足音と呼吸。音楽を聴くことすら勿体なく感じるひとときだ。

好きなことを夢中でやっている時には、自分自身と対話をしているのである。
自己内対話の重要性を私は熟知しているつもりだ。

仕事に忙殺されていたとは思わない。
それは恐らく私が選んだのだ。

それでも、と私は思う。
ここから年末にかけては自分の好きなことを目一杯楽しむことを取り返そう、と。