台湾放浪記・・・5/4

身に付いた習慣とは例え海を渡ったとしても簡単に変わるものではなく、私は現地時間5時半に完全に覚醒した。

まだホテルの朝食バイキング(という和製英語は困ったものですね)は始まっていないが、私は身支度を整えて出掛けた。

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お目当てはこれ。
台南名物の定番朝食、サバヒー粥である。

120元と一杯のお粥としてはやや高い気もする(今のレートで約420円、昨夜の牛肉湯と同価格だ)のだが、存在感のあるサバヒー(という養殖淡水魚)の他にカキも入っており非常に旨い。

しかる後にホテルでもキッチリと朝食を摂るのだから台湾に来る度に太るのも当然だ。

チェックアウトを終え荷物をフロントに預けたら、私はホテル前で客待ちをしているタクシーに乗り込む。

今回わざわざ台南に寄ったのは、地震の影響をこの目で確かめたい思いもあったのだが、乃南アサのエッセイで私が台南の重要な観光スポットを見逃していたことを知ったからである。

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国立台湾歴史博物館。

かの有名な台北の国立故宮博物院とは真逆に、台湾の歴史のみにフォーカスした「台湾」を知るための博物館である。
言うまでもなく故宮博物院蒋介石国民党が中国本土から持ち込んだ大陸の歴史と美術品の展示の場であり、そこには政治的な繋がりが在るだけで土着的・民俗的な繋がりも必然性も皆無なのである。

感想は書かない。
しかし戦後GHQ左巻きの教員団体によって葬られた我々の歴史も確かにそこに組み込まれている。

台湾に初めて行く人、台湾に興味あるけど詳しくは知らない人、台湾に何度も行っていながら台湾の公用語が「台湾語」だと思っているような人には是非オススメしたい。

良かったぜ。

博物館見学を終えたら丁度いい時間のバスがあったのでそれに乗り台南駅へ。
台北PASMOも台南のバスで使えるようになっており(初めて行った2年前には使えなくて難儀した)、とても助かります。

荷物をホテルで受け取ったら急いで台南駅に向かい、嘉義行きの切符を購入。

翌日は嘉義から阿里山森林鉄道に是非乗りたいと、むしろそれこそが個人的な旅のハイライトだと思っているのだが、1日一往復しかないそのチケットはプラチナ化しているとの情報が蔓延っており、とにかく早く嘉義に着きたかったのだ。

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そんな訳でランチは台南グルメを泣く泣く諦めてこんな哀愁駅弁。
(嗚呼、度小月の 担仔麺!嗚呼、愛しのタウナギ麺!)

まあ駅弁にも旅愁があって悪くないんだけどね。

正午過ぎに嘉義到着、一目散に森林鉄道の切符売場に行くと、職員のおっさんが鼻くそをほじっていた。
もうとっくに売り切れたってことだろうか?
しかし拍子抜けするぐらい余裕で買えてしまいましたよ。

やった!とにかくこれで明日は待望の森林鉄道だ!

ホテルにチェックインしてから向かいのコンビニで缶ビールを買って祝杯をあげる。

一息ついたら一応嘉義の街でも散策するか!

駅のツーリストインフォメーションに戻り感じの良い女性職員から無料の地図を貰う。
行きたい場所も特に無かったので、その感じの良いお姉さんにオススメの場所を訊ねたら、嘉義公園を勧められた。
バスもあるけどぐるっと回って駅の反対側のバスターミナルに行かねばならないというし、タクシーで数分の距離だと言うので迷わずタクシーで。

バスだと70円で行けたけど、タクシーなら450円かかりました、ってぐらいの感覚です。

結果から言うとこのやたらと広い公園、行って良かった。

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日本統治時代に建立された神社と出会いました。
社務所は史蹟資料館として現役、手水舎、狛犬、灯籠なんかもそのまま残っており、しかもその灯籠に大正九年なんて刻んである!
台湾において日本の残り香を嗅ぐことはよくあるけど、日本そのものを体験したのは初めてかもしれない。
蒋介石政権の戒厳令時代に日本文化は結構壊滅的に破壊されたそうなので、とても貴重なものなのかもしれない。

こんなところに一人佇んで、心が震えない訳がない。

良かった。

夕食は台湾における鶏肉飯発祥の店との触れ込みの「噴水鶏肉飯」へ。

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名物鶏肉飯が45元、肉丸湯が25元、しめて70元。
安い!しかもめちゃくちゃ旨い!
こんな美味しいものが250円でお釣りが来る感じなので物価の安い台湾においてもひときわ安い印象です。

ちなみにこの肉はニワトリではなく七面鳥だそうです。

あわただしくもあり、心も揺さぶられ、なんだか疲れちゃったので夜遊びはせず酒を買い込み本を読みながら部屋飲み。

異国で一人きりというのは孤独なものだが、孤独だからこそ享受できる穏やかさと自由がある。

旅は続く。