戦闘準備・・・江戸川橋「はし」

四半期に一度巡ってくる気の重い会議。
しかし最近は気が重いと言うよりは絶望感に囚われることの多い会議となっている。

打ち合わせを兼ねて旨い昼飯でも食いながら軽く作戦会議をするべく、サマーな後輩(仮名)と連れ立って近隣の上品な蕎麦屋へ。

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カレー南蛮そば大盛。
旨いんだけど、これが1300円もする。
ラーメン二郎三田本店なら小ラーメンと小豚ラーメンが食べられる値段だ。

まあいい。
今日は英気を養うランチ、コストパフォーマンスなど求めるべくもない。

なんとなく会社の問題点から始まり、我々の部署の問題点へと話題は移る。自らの部署を俯瞰し客観的に把握することは我々にとって大事な事だ。
そして部署の問題はシステムの問題も勿論あるが、往々にして人の問題に帰結する。

「あいつも悪い奴じゃないんだけど。」
とサマーな後輩(仮名)。
「確かに性格も悪くないし。」と私。

そして会議は無事に、と言うべきか、本質的な問題の共有に至らないことは大いなる問題なのだが、とりあえず何事もなく終わった。

翌日、私は通勤途中に読みかけの小説を読んでいて、恐ろしい一節に出会い驚愕した。

「悪い人じゃあないんだけど、と言われた人が良い人であったためしがない。悪い人じゃないというのは、褒めようがない人物に対する事なかれ主義的最後通牒だ。」(花村萬月「ぢん・ぢん・ぢん」下巻363頁より)

サマーな後輩(仮名)と私は抉られた。
「事なかれ主義的最後通牒」とは腹を括れない管理職への揶揄とも受け取れる。

事なかれ主義ではいけない。

私は問題を見出だしたら、事なかれ主義的に流すのではなく、問題と対峙して解決に努めようと改めて決意した。

事程左様に高いランチとは時として高い金を払う価値が十二分に在るものなのである。