KAN kills MIN・・・赤羽「米山」

哀しい。

もうレバ刺が食べられないのだ。
あんなに美味しいものが、もう食べることが叶わない。

実際に豚レバーがリスクを伴う食材だということは知っている。
後輩に連れられて行った怪しげな店のレバ刺を食べて全身に激症蕁麻疹を発症したこともある。

だからこそ私はレバ刺を食べる店を厳選して付き合ってきた。

美味しいレバ刺を提供してくれる名店の数々、それらの店は努力や研鑽を怠らず、矜持と伝統を持っている。
つまりそれは「食文化」である。

和食が世界無形文化遺産に登録されたと安易に喜ぶなかれ。

この国は放射能のリスクには寛大なくせに、リスクのある食材には非寛容なのだ。

リスクを排除することに苦心して長年美味しいレバ刺を提供してきた店と、流行りに乗ってリスクを理解せずに安易に提供する店を同様に断じる想像力のなさ。

哀しいとしか言いようがない。


最愛のモツ焼き屋である赤羽の名店「米山」に、DDVセンパイと行った。
米山に一緒に行く人間は、モツ焼きに敬意を持ちつつ私にとっても大事な人間に限られる。

恐らくはレバ刺の食べ納め特需だと思われるが、開店30分前には店のキャパシティを上回る米山ファンが行列を作った。


既に刺身類はメニューから消えており、半焼きメニューも今までよりはウェルダン気味であった気がする。

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それでもこの必殺のつくねが食べられれば、私は幸せだ。

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こちらは新メニューのからし豆腐

定番の肉豆腐にラー油を絡めたもので、言わずもがな旨かった。

官が民間伝承の食文化を殺した。
残念極まりない。

我々はどちらかと言えば静かに、黙々と淡々と料理と酒を楽しんだ。
喪失感を感じながら。