美食リレー…6/13野毛屋

梅雨の晴れ間の土曜日、久々に休日出勤の無い週末、思い切り釣りがしたいし美味しい魚も食べたい。

となると私の選択は一択、野毛屋の午前アジ・午後フグリレーである。

「アジを釣りたい、食べたい!」と盛んに言っていた会社の同僚にして我らがバンドのギタリスト、fだけ小文字にこだわるfIVEさん(仮名)にも前日声を掛け、午前アジだけ一緒に釣りをすることに。

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満船札止めのフグ船、ガラガラの真鯛船、片舷10人の土曜日のあるべき乗合船の姿である午前アジ船、三船三様である。

さて、アオリ用ロング・ロッドとカワハギ用パック・ロッドしかもたないfIVEさんのタックルにアジに向いたモノはないので、竿は私のライト・アマダイ竿を貸し、リールのみアオリで使ってる自前のカルカッタ・コンクエストを持ってきて貰った。
楽器好きのfIVEさん、釣具と楽器の類似性をかねがね実感している私としては、フルレンタルであるよりも使える限りは自前の道具を使った方が楽しいという私の嗜好と合致しているものと信じての提案だったのだが、これが裏目に出た。

「ああっ!」

哀しげなfIVEさんの悲痛な叫びに視線をやると、抜き上げた金アジと真逆の方向に金色の物体が海に堕ちゆく様子がスローモーションで見えた。

「!!!」

なんとfIVEさんのカルカッタ・コンクエスト301fのハンドルが本体から外れ、海に落ちてしまったのだった。

「凄く哀しい…。」
「(´;ω;`)」
fIVEさんの呟きにもらい泣きしそうになりながら、私はタックルボックスから予備リールのRYOGAを取り出し、ハンドルの失くなったカルカッタのスプールを指で回してラインを巻き取ってからRYOGAに付け替えてビシに接続し、fIVEさんに渡した。
RYOGAでLTアジというミスマッチが余計に哀愁をそそった。

この後船はアジの群れを見失い遊覧船状態、結局fIVEさんがトラブルに見舞われた正にその時が一瞬の時合いだったようで、ここを逃した我々の釣果は伸びなかった。

船中釣果は0~27尾。私の釣果は僅かに19尾であった。

リール直してリベンジしようぜ、fIVEさん!

さて、昼食休憩を挟んで午後フグ。

前回持ち過ぎた釣りをしたことでこの釣りに対する嫌悪感にも似た苦手意識は雲散霧消した。
私は実はとても単純な性格なのだ。

最初のポイントは第一海堡の南東、水深7m程の超浅場。
ここで釣れる魚なら白子持ちに違いないと期待は高まる。

しかし型は出したもののアタリも少なく船は南下。
次のポイントも同じような水深の超浅場である。

「ああ!」
私の二つ隣のアングラーが掛け損ねて餌の無くなったカットウが上がってきた。
「ああ!」
次いで私の隣のアングラーが掛け損ねて餌の無くなったカットウが上がってきた。
いる!
船下に魚がいる!
私は全神経を竿先に集中してソフトにしゃくると
“ガツン!”
“キタ━(゚∀゚)━!”
ギュンギュンゴンゴン、これは良型フグですよ!
一気に抜き上げたのは目測余裕で30cmオーバーの良型、オスならば白子持ち確定でしょ!

このように型は出すのだけれどアタリが続かず船はどんどんポイントを変える。
アタリが少ない時にいかに集中力を切らさないかがこの釣りのキモであろう。

落とし込みで唐突に訪れたアタリにビックリして反射的に電撃アワセを入れてしまいチップ、気を取り直してもう一度落とし込んでしゃくるもアタリは無し。
仕掛けを回収するとカットウ針がハリスに絡んでいた。
電撃アワセでカットウがカットビこんなことになったのだろう。
う~ん、修行が足りない。

なんて反省した矢先の次のアタリも反射的にビックリアワセを入れてしまったが、次のシャクリでヒット!しかし巻き上げバラシ。
すっかり忘れていたけど湾フグって本当に繊細な釣りなんですね。
正に修行が足りません。

下げ潮が流れ始めたラスト1時間は15m程の深い方に移動しての釣り。
フグさん達は下げ潮の方がお気に召したようでアタリが増えた。

アタリが増えて来るとビックリアワセもしなくなり、そこそこヒットするようになったのだが…。

魚が小さい!

上がってくるのはいずれも20cm前後の小型。
1尾目とのサイズの差も激しいし、何より野毛屋では20cm以下はリリースという男気溢れるカルチャーの船、そんな訳で盛大にリリースしまくていたのだが…。

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【釣果】
<午前アジ>
7時出船、11時沖揚がり
アジ19尾
<午後フグ>
12時30分出船、16時沖揚がり
ショウサイフグ9尾(キープ2尾)、サバフグ1尾

【タックル】
<午前アジ>
ロッド:アルファ・タックル エアボーンスティック30T-200
リール:SHIMANO オシア・カルカッタ301HG
<午後フグ>
ロッド:マニアス・フグ・リミテッド
リール:SHIMANO ステファーノ201
ライン:PE1号
 
【本日の総括】
アジは旨い。
釣り自体は思わぬアクシデントに見舞われたりして中々シビアなものとなり、型も小型が中心で満足出来るものではなかったけど、サイズの大中小に関わらずこの時期の湾奥金アジは本当に旨い!
小型は三枚に卸して薄皮を剥いだだけの手抜き料理が最高。
小型だと中骨も気にならないし、甘さと旨さが尋常でなく脂のノリも適当。
中羽以上は干物にして長く楽しめる。
美味しい魚は多種あれど、真鯛とかマハタとかオニカサゴとかキンメなどは希少性がスパイスとなり旨味が増幅している可能性がある。
最近減りつつあるとは言え、大衆魚がこんなに旨いというのは本当に旨いということだろう。
アジ、最高!

そしてフグ。
「小さいほうが刺身が美味しいし、最近は17cm以上はOKなんだからリリースしちゃだめよ!」
帰港後に女将さんに言われてしまった。
確かに宿の釣果欄を見ると「18cm~35cm」と書いてある。

小型をリリースしていたのは今は昔、最近はカルチャーが変わったようである。
確かに小さいフグは美味しいしね。

結局キープは2尾に留まったが大きい方は残念ながらメス、しかし小さい方からかろうじて持ち帰り可能な白子が出てきて及第点な釣りとなった。

白子期間中にもう一度やってみましょう。

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