私が実家に釣れた魚の差し入れに行くと、真っ先に迎えに来てくれるのがネコさんだった。
時は等しく過ぎ去るが、私の個人的な時間の経過よりも実家のネコさんの時間の経過は遥かに早いようだ。
19歳。
人間ならば未成年の年齢も、猫にとっては
後期高齢者だ。
私が正に釣れたてのアジを持って来ているのに、実家のネコさんは迎えにも来ずに熟睡されていた。
熟睡されていた。
あ、私に気が付いた!
そして舌なめずりを始めた。
私は実家のネコさんにとって、美味しい魚の供給係に過ぎないのだろう。
それでも私は実家のネコさんを愛している。愛して止まないのである。
分かるかな?
分からなくても結構だけどね。