自信の無さの現れとみたり…濃菜麺 井の庄(練馬)

それは寒くて雨も降っていた結構前のある日曜日のこと。
休日出勤で練馬へ。

多分初めて降りた練馬駅

仕事を終え、スタッフと酒を飲みつつ夕食。

ここまではよくある休日出勤の一光景であるが、この日は生憎とサマーな後輩(仮名)も一緒であった。

私が自らに厳しく禁じている「飲んだ後の締めのラーメン」、この愚行を犯すときは概ねサマーな後輩と一緒の時なのだが、案の定居酒屋を出て駅に向かう道すがら、「ここでしか味わえないラーメンがある」と拉致られた。

西東京の雄、麺処 井の庄。
勿論名前は知っているけど、そしてカップ麺では食べたことがあるけれど、城南地区を根城とする私には無縁の店であった。

サマーな後輩曰く、その井の庄が提唱する豚骨魚介+野菜スープが売りの濃菜麺、つまり自分の為に端的に翻訳すれば六厘舎+天下一品的なものであろうと仮定すると是非とも体験してみたい訳で、体重増加と血圧上昇のリスクを飲み込んでサマーな後輩(仮名)の悪魔の囁きに乗っかってしまった。

ん??
辛辛濃菜麺???

カップ麺でしか味わったことのない麺処 井の庄の唯一のメニューが辛辛魚。
その辛辛系派生メニューがこの店の券売機にもあるじゃないですか!

「初めての店ではデフォでいくべし」という我が麺人生の基本を忘れて、思わずその辛辛派生系メニューを逝ってしまった。
なにしろ私は辛いものに目がないのだ。

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辛辛濃菜麺。

「…。」

「おい、サマーな後輩(仮名)、このスープ甘いぞ?はちみつでも入れてるんじゃないか?」
確かに一口目は唐辛子の辛さを感じるが、後味が気持ち悪いぐらいに甘ったるい。
不審に思った私はサマーな後輩(仮名)に疑問を投げかけた。

味見をするサマーな後輩(仮名)。

「確かに甘味がありますね。」

私は甘いデザートは好きだが甘い食事は好きではない。

煮魚を作るときに決して砂糖など入れないし、すき焼きの割下は甘味抑え目が好ましい、いや、すき焼きよりはむしろしゃぶしゃぶを好む。

私は辛味の奥に旨味のあるラーメンを期待していたのであって、辛味の奥に甘味が主張するラーメンなど食べたくもないのであった。そもそも辛いものに甘い調味料を加えること自体が辛さに対する冒涜だろう。
料理をしていて誤って塩を入れ過ぎた時に、中和させようと砂糖を加えるような愚行じゃないか!

提供された食事を残すことは私の生き様に反するのだが、それでも私は残した。
既に腹は満たされており、空腹を満たす必要がない以上は無理して食べる必要がないのだ。

先に店を出ていた私を追いかけるように出てきたサマーな後輩(仮名)が私に言った。

「はちみつじゃなくてピーナッツバターを入れてるそうです。」
私の不満を敏感に感じ取ったサマーな後輩(仮名)は、店員にスープに加わった甘味の正体を聞き出してくれたのである。
相変わらず優秀な男だよ、サマーな後輩(仮名)は。

それで納得がいった。

私は過去の体験から、麺類にピーナッツバターを使うことが決して許せない体質なのだ。

まあその話は機会あらばいつかまた何処かで。


ちなみに辛さを加えないデフォの濃菜麺は一口味見させてもらったところ非常に旨かったことを付け加えておく。
デフォのスープには勿論ピーナッツバターなどは入っていないそうだ。

辛さの中にある旨さを表現出来ているという自信が無いのだろうな。

と、一方的に決めつけることで、一応の納得をみた。

リクエストで「ピーナッツバター抜き」が叶うのであれば、再チャレンジしてみたくもある。