初物…4/4庄治郎丸

前週キンメとスミヤキという人生初の獲物を釣り、そのいずれもがあまりにも旨く、私は今相模湾で釣れている未食のターゲットを狙ってみたくなったのであった。

そのターゲットとはカマス

120号オモリを背負い100~200m以深を攻めるこの釣りもまた電動リール必須の種目で手巻き専門の私には無縁なターゲットであったが、通常晩秋から年末が釣期のこの魚が桜満開のこの時期に60~70mの浅場で釣れ盛っているという。

釣りたい。
食いたい。

しかし水深が浅くなってもタックルは変わらず120号オモリのPE4~6号指定の宿ばかり。

私の手持ちタックルでこの条件に合致するものといえばヘヴィなマグロ・タックルのみ。

何事も経験と割り切り、平塚の常宿の隣の船宿に電動リール込みで予約を入れた。
遂に大人の階段をまた一歩登った感じである。

ところで釣具というのは楽器と非常に似ている。
楽器といっても私に馴染みのあるのは一般にバンドマンが「サオ」と呼ぶ弦楽器のみであるが、そもそもその呼称からして既に釣りと似ているのである。
私はバンドで爆音を鳴らすことが大好きなのだが、いかに会社帰りにスタジオに入るとしてもレンタル楽器は極力使わず自分の機材で演奏したい。
スペックの問題ではない。
「人馬一体」のような自らの身体と自らの道具の一体感を感じながら、事を成すことが面白いのである。

レンタル・タックルはよそよそしくて、それを使って行う釣りは全く楽しいものではなかった。
そもそも道糸がヨツアミのウルトラダイニーマでないだけでこんなにもストレスが溜まるものなのかと驚いたほど、私はヨツアミの配色パターンが身体に染み付いている。

また切れたラインを途中で結び直していたことにも随分と時間が経ってから気がついた。
これは自分の不注意としか言いようがないが、上からタナを取る釣り方だったのに、私が攻めていた棚は常に7mずれていたのである。

カマスの機嫌も非常に悪かった。

顔を見れただけで良しとしよう。

そんな謙虚な気分で釣りを終えた。

私が電動リールを購入する日もそう遠いことではないようである。


 
【釣果】
6時50分出船、13時30分沖揚がり
カマス2尾
外道:アジ、サバ

【タックル】
不明(船宿レンタル)

【本日の総括】
「口に掛ける釣りではない。魚のからだの何処でもいいから針を引っ掛けるイメージで大きく激しく誘うこと。」
船長からのレクチャーだ。

本当にそうかな?
「深場のカワハギ釣りのようだ」と何処かに書いてあったのを目にしたので魚との駆け引き重視の面白い釣りかと思ったが、120号のオモリを背負ってワンピースグラスロッドに電動リールのごついタックルを一日振り回す釣りはまるでギャング釣りのような印象だったが、本当にこれでいいのだろうか?

この水深だったら40号のLTで手巻きでやった方が面白そうだ。

あとスロージギングも試してみたい気がする。

イメージ 1

カマスは小さいのと極小の2本のみ。
釣趣の醍醐味を感じるところまではとても及ばず。
これは再戦必死だ。

ご覧のとおり外道で釣れた40cmはあろうかという大鯵に主役の座も奪われた格好だ。

やれやれ、相模湾の大鯵は大味なんだよねと期待もせず雑にタタキを造ったのだが…。

あれ?アジがうめえ!」
東京湾のアジの味に勝るとも劣らない甘味と旨味、個体差なのか水温が上がってきたからか、先日アマダイ船で釣ったアジと完全に別物でありました。

期待したカマスは帰宅してから洗濯したり温泉銭湯に行ったりとクーラー内で長時間放置したためか、炙りで頂いたのだが若干臭いが気になった。
勿論脂ののった身の味はよかったのだけれど、次釣る機会あらばサワラなみの迅速さをもって下処理を済ましてみようと思う。