追悼・・・江戸川橋大勝軒

巨星墜つ。

東池袋大勝軒創業者山岸一雄が亡くなった。

双璧をなす巨星・山田拓美が作るラーメン二郎三田本店の一杯が、例えどんなにブレが酷かろうとも一層かけがえのないものになってきた。

私は山岸ラーメンに特に思い入れも思い出もないのだが、それでもある種の感慨やセンチメンタルな思いを抱かずにはおれず、氏の直系の弟子でありながら王道を進まず蛇の道を邁進する江戸川橋大勝軒で昼食をとることにした。

言わば弔いの一杯である。

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江戸川橋大勝軒のウリである邪道系は避けて、山岸氏からここのC調店主が直々に継承したもりそばを頼む。

思えば初めて東池袋大勝軒のあつもりを食べたとき、スープが酸っぱくて作る過程で何か決定的な間違いを犯したのではないかと訝しく思ったものだ。
当時桂花ラーメンの太肉麺こそが世界最高と思っていたこってり至上主義の私には到底容認できる味ではなかったのだ。

しかし年を取り、ラーメンの多様性を認められる程度には大人になると、やはりこの「元祖もりそば」は一つの発明品であると認めざるを得ない。
これがなければ「六厘舎」も「やすべえ」も決して生まれなかったであろう。

うん、悪くない。

スープに酢を追加で投入し、この発明品をしみじみと味わった。

合掌。