美食ツアー…10/4野毛屋

行きたくても行けない状況が続くと、行きたい釣りが多すぎて逆に何にも行きたくないような不思議な心持ちになる。
 
金曜日は残業もなく土日は完全オフというやっと平穏な週末がやってきたが、憎き台風の接近で釣行は土曜日に限られるのであった。
 
余談だが月曜の朝から名古屋大阪出張に行かねばならないのだが果たして新幹線は動くだろうか?
更に余談だが来週は取得出来なかった夏休みの代わりに秋休みを取得し南の島へ出かける予定なのだが真っ直ぐと台風19号が向かってきている。
「自分に同情するな」とはノルウェイの森という小説の中で永沢さんがワタナベ君に忠告した言葉であり、以来私も自己憐憫という感情を唾棄しているのだが流石に自信がなくなってきた。
 
 
1日しか釣りが出来ないのなら、1日存分に釣りを楽しめる種目にしよう。
 
そんな理由で私のチョイスは野毛屋の午前アジ/午後フグ船だ。
 
「!!!」
ウイリー全盛期は毎日乗り切れないない程の客が来たものだとはよく耳にする昔話ではあるが、私が通うようになってからの野毛屋釣船店は比較的マニアックな釣り物を看板に掲げ比較的マニアックな釣り師が集う「我が道を行く」的な宿であり続けた。
しかしこの朝の光景はなんということだろう!
老いも若きも男も女も入り乱れ、道路は車で溢れ、見知った顔は殆ど見当たらず、まるでパラレルワールドに迷いこんでしまったかのような違和感だ。
それもこれも絶好調なヨリフグ効果。
どんなに厳しい状況でも諦めずに工夫を凝らしながらフグの看板を掲げ続けてきた同宿に訪れたフィーバーはなんとなく喜ばしいものを感じる。
少なくともポリシーの無い、もとい柔軟な思考の船宿がヨリフグ目当ての客で群がっている光景とは本質的に事情が異なるのだ。
私も個人的にはポリシーの無い、もとい柔軟な思考の船宿よりも拘りの強い頑固な船宿の方が好ましい。
 
5時40分に到着していたのにも関わらず私が車を駐車場に入れたのは実に6時30分。
十分に余裕を持って出発したはずがかなり慌ただしい状況になった。
 
まずは午前アジ。
最近サバがいなければまずます、サバがいれば撃沈という極端な釣果が続いているようだが幸いこの日はサバが大人しくしてくれた。
 
3箇所回って拾い釣り。
爆釣とはいかないまでも丁寧にタナを取ればポツポツの食いで、掛かる魚は20cm~30cm弱のまいうーサイズばかり。
個人的な嗜好ではイージーな釣りよりも好ましくて大満足。
 
船中釣果は12~35尾。
私の釣果は34尾と上々であった。
イメージ 1
 
船上ではアルコールを口にしないことに決めているのだが午前船と午後船の狭間となればその限りではない。
 
港近くの中華料理店にて五目焼きそばと瓶ビールでランチ。
船上で食べる麺類の旨さは格別だが、一度船を降りて食堂で昼食がとれる午前午後船も悪くない。
 
さて午後はすっかり苦手種目となったフグ。
特に前回白子狙いの時に船中唯一のボウズを喰らってからは嫌悪感というか近づきたくない気分になっていたので、釣れているこの時期にリハビリをしようという目論見だ。
 
1箇所目は船中型見た程度で不発、もしやヨリフグフィーバーは前日をもって終了してしまったのではないかと焦ったものの、移動した先でバリ食いが始まった。
 
しかしね~。
やたらとバラす。合わせてものらない!
周りがポンポン釣っている時に自分だけ取り残されるとまた嫌な記憶が蘇る。
落ち着いて周りを見渡し、アタリ即合わせ御法度の釣りばかりやっていたことによるリズム感のズレと、アワセが強すぎることが原因と判断。空合わせの間隔を短くすると同時に竿先に集中しておかしな動きは全て軽くアワセることを意識してからポツポツ釣れるようになった。
 
しかし噂には聞いていたけど小さい!普段なら強制リリースサイズばかりが釣れてくるので微かな罪悪感も伴う。稀に良型も混じってくるのでなんとか釣り応えのあるヤツも1尾は欲しかったが残念ながら典型的ヨリフグばかりであった。
 
5尾をリリースして22尾キープ。
船中釣果は6~46尾とまたしても己のダメっぷりが露呈してしまったけれど、少しだけ苦手意識を払拭することが出来た気がする。
 
当面釣りにいけない日々が続くので来年またチャンスがあれば狙いたい。
 
フグを捌いてもらってから車に乗り込むと、もうライトを点灯させた方が良いような暗さであった。
随分と日が短くなったものだ。
 
1日フルに遊んだ満足感とこれから魚を裁かねばならない憂鬱を感じながら大爆音でカーステを鳴らして帰路についた。
やはり休みの日には釣りをするべきなのだと思いながら。
 
イメージ 2
 
【釣果】
<午前船>
7時10分出船、11時10分沖揚がり
アジ34尾
 
<午後船>
12時20分出船、16時沖揚がり
ショウサイフグ27尾(キープ22尾)
(外道:ヒトデ)
 
【タックル】
<アジ>
ロッド:ALPHA TACKLE エアボーン・スティック 30T-200
リール:SHIMANO カルカッタ・コンクエスト301F
ライン:PE2号
<フグ>
ロッド:マニアス・フグ・リミテッド
リール:SHIMANO スコーピオン1501
ライン:PE1号
 
 
【本日の総括】
アジの旨さもフグの旨さも今更とりたてて力説するつもりはないけれど、ヨリフグの刺身は絶品でありました。
残りは骨を抜いて干物にしたのでこちらも楽しみ。
 
ストックが切れていたアジの開きの干物も沢山仕込むことが出来、グルメな秋の釣り大成功といったところ。
 
身体は疲れたけど心と舌は満たされた。