訓読み音読み…蒙古タンメン中本蒲田店

そんなものには行きたくなかったが、投票は有権者の権利であり義務である。
 
日本の歴史を考えても、一部諸外国を見渡しても、平和のうちに自由選挙が行われることは民主主義の一つの到達点であるのだ。
先人達の努力によって獲得したこの権利を安易に放棄することは許されない。
 
「多数派は常に間違っている」
アメリカの作家、マーク・トゥウェインの箴言をある種の慰めに、雪道を歩いて虚しい投票を済ませた。
 
正直に言えば分かりきった東京都知事選挙の結果よりも、混乱を極めているタイの総選挙の行方の方が余程気になる。
赤シャツ派と黄シャツ派の対立の根深さは一旅行者としてタイに関わっているに過ぎない私にもなんとなく理解できるが、多くの対立が正と誤、善と悪という二元論で片づけることが出来ないように、この対立も双方に正と誤、善と悪があるように思われ、簡単には収まらないであろう。
それでも私はインラック首相を支持したい。
既得権益にメスを入れ、第一次産業を手厚く保護するタクシン派の政策は私には整合性があるように感じられるし、そんなことよりなによりインラック首相は美人である。
美人を泣かせることは私の生きざまに反するのだ。
 
さて、虚しい投票の埋め合わせに、なにかしっかりとした存在感で空白を埋めようと、私は蒙古タンメン中本へと向かった。
 
オーダーは味噌卵麺。
タイムサービスで麺大盛り無料とのことで、年甲斐もなく大盛りに。
 
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「みそらんめんお待たせしました~!」
 
みそらんめん?
 
どうやら私が「みそたまごめん」だとばかり思っていたメニューは、正確には「みそらんめん」と読むようだった。
言われてみればその方が語感が良い。
 
やるな、中本。
 
ネーミング・センスの妙ににやりとしたのも束の間、私の全身は中本の唐辛子に支配され、全身汗だくとなっていった。
 
嗚呼、俺は生きている!
 
このフィジカルな手応えは、虚しい投票とは対極にあるものだ。