ヘル・ファイター…2/11千倉「千鯛丸」
都会人を「もやしっ子」と揶揄する地方都市の風潮に照らし合わせれば、東京生まれ・東京育ち・東京在住の私も友人(仮にＡ君 )も「もやしっ子」なのである。
それでもアクアラインのトンネルを抜けた時点で大雪、途中の路面は雪で真っ白、私の車のタイヤは私の性癖とは180度異なるド・ノーマル。ステアリングは教科書通りの10時10分で握り、加速・減速は可能な限り行わず、ギアを落として巡航速度は時速50ｋｍ、おかげで集合時間の5時30分を20分ほど過ぎてしまったが、こんな状況で引き返すことなく千倉まで辿り着いた我々は「もやし」ではないと思われた。
しかしねえ。
「少々海況も悪いかな」～“千鯛丸釣り日記”より
え？
少々？
東京湾水準では大シケである。
事実荒波をものともしない荒船頭の金沢八景在住キャプテンＵＧ（仮名）のアオリ船もこの日は10時に早上がりしたという。
身体は前後・左右・上下と三次元をフル活用して翻弄され、タナをキープすることもままならない。
イワシの泳がせ釣りだというのに、途中から友人（仮にＡ君）はコマセ君へと変身し、せっせと自前のコマセを巻き始めた。
それでも私は竿を離さなかった。
友人（仮にＡ君）も最後まで竿を離さなかった。
それは我々の矜持でもあったのだが、お互いにロッドキーパーを所有していないという事情も少なからず影響していた。
「次は凪の海でリベンジしよう！」
お互いの健闘を讃えつつ別れた我々であったが、帰宅後に見た船長のホームページで外房基準では大シケではなく、「少々海況は悪い」程度の海であったことを知り、やはり我々は都会人であり、我々はもやしっ子であるかもしれないと少し悲しい気持ちになった。
【釣果】
6時10分出船、11時50分沖揚がり
ヒラメ（ソゲ） 3枚
6時10分出船、11時50分沖揚がり
ヒラメ（ソゲ） 3枚
【タックル】
ロッド：DAIWA 早舟ヒラメ M-270
リール：DAIWA SALTIGA-Z30L
ライン：PE3号、リーダー：フロロ40lb
リール：DAIWA SALTIGA-Z30L
ライン：PE3号、リーダー：フロロ40lb
【本日の総括】
海は悪かった(外房基準＝少々海況悪い、東京湾基準＝大シケ）のだが何とか大本命ヒラメは３枚釣ることが出来た。
しかし「アタリが出てから食い込ませるまでのやり取り」こそが活きイワシを使ったヒラメ釣りの醍醐味であるとしたら、残念ながらその神髄の一端にさえ触れることすら叶わなかった。
１枚目。
手持ちの竿に「コツコツ」というアタリがきた。
雑誌で仕入れた知識によれば、この断続的なアタリが連続的なアタリに変わるまでアワセは我慢。
しかし待てど暮らせどコツコツとしたアタリは連続的ノックには変わらず、３０秒程待ったらアタリが止まってしまった。
一か八かでエイヤッとアワセると何かが掛かっている感触。それにしても軽い。
上がってきたのはムシガレイと見紛うような小さなヒラメであった。タモを呼ぶまでもなく引っこ抜いた。
（ボウズも覚悟していたので気が引けながらもキープしていたが、２枚目が釣れた時点で我が人生初ヒラメは海にお帰り頂いた。せめて写真だけは撮っておけば良かったな）
２枚目。
白間津方面の根回りを攻めていた時の事。
オモリや仕掛けの孫針が度々根掛かりを起こす。
「ズドン」
一気に引き込まれる竿。なんだよまた根掛かりだ。竿で強引に引っ張るが外れない。ん？今糸が持ち上がったような気が…。
ややドラグを締めてグリグリ巻くとあれ？糸が巻ける！しかし生体反応は無くただ重いだけ。
定置網の残骸のロープでも引っ掛けたかと思ったのだが、上がってきたのは1.5ｋｇ程の大本命ヒラメであった。
一気にイワシを丸呑みしたようで、前アタリもなく針掛かりしたようだ。
３枚目。
波風強まりいつでも上がれるようにと千倉沖に戻ってきた沖揚がり寸前。
もう本命釣れたし、友人（仮にＡ君）はグロッキーだし、俺も寒いし、早揚がりしないのかな～？などと弱気になって油断していたら「ガツン！」と唐突に強めのアタリ。
反射的にご法度とされる即アワセを入れてしまった！が幸いな事に孫針が良いところに刺さってくれて無事にキャッチ。
しかし引き味がつまらない魚だな～。
この他に背中を齧られたのが１回、頭の後ろの軽く噛まれたのが１回、どちらも全くアタリを感知することが出来なかった。
う～ん。
掛かるか、逃げられるか？というヒラメとの駆け引きを楽しむには条件が悪すぎたかな？
ムニエルにして非常に美味！
釣り方指導から獲物のタモ取りまで、何から何までお世話になりました。
ありがとうございました！
