永年勤続休暇アジアツアー【五日目】

5時起床。

なにしろ漁師という職業柄、早起きはお手のものなのである。

ところでかつては不眠症に苦しみ、また枕が変わると眠りが浅くなるという神経質さも持ち合わせていた俺だが、今やいつでもどこでも夜が来ると眠くなり、枕が変わろうと布団が堅かろうと熟睡してしまうのである。

考えてみればこれは野性動物として当然のことだ。

野性動物は何時如何なる時も自分が自分自身と一体化しているものだし、人間は社会生活という仮面を被って生きる側面がつきまとうため、無意識のうちに自分自身を抑圧しがちだ。

自分の野性を大事にし、常に自分が自分自身と一体化していれば、夜が来ると眠くなるのだということを、不惑過ぎてから学びましたよ。

閑話休題

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早起きの目的はこれ、早朝の托鉢見物である。
仏教において僧侶とは本来乞食であるわけだが、現在では宗教法人の非課税優遇の影響で坊主丸儲け感が強い。

それがここラオスでは今だ乞食としての僧侶が早朝から街を練り歩き、街の住人達から施しを受ける。

これは観光客向けのデモンストレーションではなく、ラオスの僧侶とラオスの人々の日常である。

大乗仏教小乗仏教の差があるとは言え、同じ小乗仏教国のタイでもこんな風景はまず見ることが出来ないのではないだろうか?

この「時代錯誤感」と「世界と無縁感」こそが、ルアンパバーン世界遺産たる所以なのだと思った。

ちなみに俺も押し売りおばちゃんにもち米を掴まされ、お布施しましたよ。

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ホテルに戻ってお粥の朝食。
ベースは中華粥なのだが大量の香草が入っているのがラオス風。
若かりし頃は苦手だったパクチーも、最近は好きになってきた。
自らが加齢臭という名の哀愁を身纏うと、パクチーの臭さすらも芳しいということか?

美味しく頂きました。



旅先を去る時に去りがたい気持ちに支配されるのは楽しい旅行の常だが、今日も強烈に去りがたかった。

素朴な景色と人々、タイムカプセルのように時間が止まってしまった山間の街。

第一印象は退屈な場所だと思ったのだ、僅か3泊4日で本当にハマってしまった。

いつの日かまた来よう。

そして再び冗談のようなルアンパバーン国際空港wからオモチャみたいなバンコクエアウェイズのプロペラ機に乗ってバンコクへ。

今日も堕ちなかったし、今日のキャビンアテンダントも美人だった。
どうやらラオスのみのらずバンコクエアウェイズまで好きになってきたようだ。

空港からホテルに向かう途中で、BTSの車窓から噂のデモ隊の行進が見えてしまってテンションが下がる。

明日はタイ国鉄ローカル線の旅を楽しもうと思っていたのだが、タイ国鉄の駅前ってデモ隊の拠点のすぐ近くなのである。

うーむ。

悩んでいても腹は減る。

ホテルに荷物を置いて、地元民で賑わうローカルなレストランに突撃し、とりあえずパッタイを頂きました。

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明日は明日の風が吹くだけさ。