二兎を追うもちすぎ君…11/30庄三郎丸
「こっち側8人なんですけど反対側5人なんで、良かったら移動して頂けませんか?」
この冬一番の冷え込みとなったこの日。
右舷は暖かなサニーサイドであるばかりか、西へと流れる潮流れの潮先にもあたる訳で、私が早起きをして右舷を確保したのには正当な理由がある。
しかしイケメン船長に爽やかにお願いされてしまったら、爽やかさの欠片もない私はにこやかに了承するしかないのであった。
6人並んだ左舷のトモ3番手。
それがこの日私に与えられた戦闘席である。
寒さは中途半端な釣り人の出足を鈍らせ、大盛況だったLTアマダイ船イケメン船もこの日は僅か13名。
丁寧な釣りを心掛ければ、釣座の有利不利など出ない状況だ。
あ、自己紹介が遅れました、私の通称は「もちすぎ君」です。
「持ってる男」を通り超え「持ち過ぎた男」であるが故に、人は私をこう呼ぶのです。
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さて、真鯛とアマダイにうつつを抜かしてたら、もう12月だというのにキャプテンUGのアオリ船と、羽田かみやツッチー船長のカワハギ船という秋冬の常宿の常船に今シーズン一度も乗っていないことに気付いたんだ。
そろそろ顔を出さないと、死んだんじゃないかと思われて余計な心配をかけてしまうかもしれない。
どちらにしようかなてんのかみさまのいうとおり。
という訳で僕が選らんだ船はイケメン船長の22号庄三郎丸だったんだ!
・・・。
ごめんごめん、だって前日の金曜日の釣果を見たらアマダイの外道でカイワリが沢山釣れていたんだもの!
以来アマダイ釣りに行くたびに『今日こそカイワリが混じらないかな~』と思っているのだが、いまだ釣れたためし無し!
そんな訳なんで勘弁してくれよな!
ところでイケメン船長に「昨日随分カイワリ混じってましたね~?」と尋ねると、船中10枚ぐらい入った模様。
しかし、
「アマダイ釣れない人ほどカイワリ釣ってましたね~。タナが合ってないからカイワリが釣れるんですよ!」
と男の俺でもクラクラしてしまいそうな眩しい笑顔でカイワリ釣った人間にダメだし!
むむむ、では裏を返せば少しタナを上げればカイワリが釣れるってこと???
ポイントに着くと、もちすぎ君はある企みを秘めて釣りを始めたんだよ…。
ふふふ…。
最初の流しでいきなり35㎝級の良型をゲット!
やっぱり持ってるな~、僕は。
しかしその直後隣の貸竿の初心者風オジサンが、30㎝はありそうなカイワリを釣り上げたんだ!
う、羨ましい!
こうしちゃおれん!
いつもより30~50㎝程タナを上げてアマダイ&カイワリの二兎を追うもちすぎ君。
隣のオジサン2枚目のカイワリ、そのお隣さんにもカイワリ、ミヨシでもカイワリが上がっているのにこの持ち過ぎた男の仕掛けはカイワリさんには見向きもされないんだ!
もしやまだタナが低いのか?
更に待ちダナを少しずつ上げていく。
こうして僕は自分を見失っていったんだよ…。
【釣果】
7時分出船、14時沖揚がり
アマダイ6尾(外道:カナガシラ、トラギス)
【タックル】
ロッド:alpha tackle AIRBORN STICK30T-200
リール:SHIMANO SCORPION XT 1501-7
ライン:PE1号、オモリ:40号
【本日の総括】
正午の時点でなんと本命は1尾のみ!
カイワリも釣れずに焦りまくり、ラスト2時間は真剣に全身全霊でアマダイと向き合い5尾追加して6本でフィニッシュ!いや~危なかった!
写真のような37~35㎝の良型が3本混じり、結果的には満足の内容だ。
やっぱり二兎を追うより真剣に本命と向き合うべきだと再確認。
きっとそういう釣りの方が性に合っているのだろう。
ってな訳でその翌日にドラマが待っていたのだった…。