大はマグロから小はアジまで…8/31野毛屋

8月最終日の土曜日、私はマグロを狙うべく1週間以上前から金曜日の仕事をセーブし、更にうってつけの金曜17時アポという狙い澄ました予定を入れ、万全の準備を整えていた。
 
しかし台風15号である。
 
気象庁の予報とは往々にして外れるものだということは承知しているが、南西に弱い相模湾平塚沖、更に沖まで繰り出すマグロ釣りともなれば出船は絶望的である。
 
ところがアジ釣りを覚えたお陰で選択肢がぐっと拡がった我が釣りライフ。
南西の風裏である八景沖なら10m程度の風が吹こうが波など立つまい!
 
そんな訳で最近同様にアジ釣りに開眼した友人(仮にA君)さそって野毛屋へ突撃!
 
我々の陣取った右舷には7本の釣竿が並んだが、そのうちの2本は強風で休船のフグ船長と、小潮周りで第二忠丸休船中につき仕事にあぶれた中乗りエストシ君(仮名)のもの。
翌日から夏季休業に入る野毛屋釣船店らしくノンビリムード漂う船上、こういう緩い雰囲気も最高である。
 
港前をちょろっと探索し開始の合図。
水深は20m弱。
 
「反応出てきたよ!」
程なく俊之船長の口癖ともいえるマイク・パフォーマンスが始まった。
「型出たよ!」
「反応出てきたよ!」
「反応出てるよ!」
「反応出てるよ!」
「いい反応出てきたよ!」
 
…。
 
確かに周りを見るとポツポツと小型ながら釣れ始めている。
しかし右舷トモ三番手の私と、同四番手の中乗りエストシ君(仮名、あ、今日は中乗りではないので釣り人エストシ君だな)の竿は頑なに沈黙を続けるのみ。
 
順調に釣れてる友人(仮にA君)にアタリダナを聞き、同じようにやっているつもりなのにこの差はなんでしょう?
前々回に僅か1尾、船中15人総数で14尾という恐怖体験の記憶がまだ新しく、最早微塵もナメタところなどなく謙虚にアジさんと向き合っているのだが、なぜ手が合わないのだろう???
 
しかしその後アジの活性は下がる一方、船も走り丸と化すがどこのポイントを探ってもぶっこみで1尾とか無反応といった厳しい様子で徐々に嫌な記憶が蘇り始めた。
 
しかし沖揚がりが気になり始めた10時過ぎ、八景~小柴間にタチウオ船団を彷彿させるような狭い範囲にアジ船の塊が形成されていてそこに合流!
太田屋、一之瀬丸、忠彦丸3隻、三喜丸2隻、その他よく知らない船諸々が集結!
 
周りを見てもポツポツ釣れているようだし、これは期待できるかな?
 
立ち上がりは静かだった。
そのうちにポツリ、ポツリと始まったが、前半と明らかに違うのは釣れ上がるアジのサイズだ。
 
そして、
「反応出てきたよ!」
「反応出てるよ!」
「いい反応出てきたよ!」
「反応出っ放しだから延長します!」
 
大アジ祭りが始まった。
20センチ以下なんて全く混じらない。
サバを掛けたかな?というような重量感のある引きを抜き上げると30センチを余裕で超えたアジ、なんだよマルアジかと思ってよく見れば、なんとこれが正真正銘のマアジ!
 
私は一心不乱にコマセを巻き、アジを掛け、リールを巻き、抜き上げ、血抜きをし、コマセを詰め、再投入し、タナ取りし、一心不乱にコマセを巻き、アジを掛け…という無慈悲な無限ループアジ釣りマシーンと化し、黙々と釣果を伸ばしていたのであった。
 
【釣果】
7時出船、11時45分沖揚がり
アジ22尾
 
【タックル】
ロッド:alpha tackle エアボーン・スティック 60F-200
リール:SHIMANO OCEAカルカッタ301HG
ライン:PE2号
 
【本日の総括】
10時まで豆アジ4尾で南西風に吹かれながら哀愁をふりまいていたのだが、最後のポイントで完全復活!
釣趣を楽しむのでなく食趣を楽しむ釣りだと思っていたのだが、LTで30センチオーバーのアジを掛けると目茶苦茶面白い!
しかも良型バンバン抜き上げていたら仕掛けが悲鳴を上げて40㎝はあろうかという大アジを抜き上げようとしたら2号ハリスのチモトが切れたwww!
いや~、大満喫!
 
ここのところ八景沖では数は纏まっていたものの豆アジが多く、俊之船長も「今日は品物が良すぎて異常」とのことだった。
「前日までは良かったのに」も釣りではよくあることだが、急に好転することも釣りにおいては珍しいことではない。
良い日に当たった幸運をお互いに喜び合いながら、俺も友人(仮にA君)もずっしり重くなったクーラーを
 トランクに積みこんで帰路についた。
 
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最大で37㎝、お次は35㎝、豆アジととても同じ種類の魚とは思えない迫力!
ジギングでマルアジならこのサイズ釣ったことあるけど、マアジでは間違いなく過去最大級で食べるの楽しみ!
 
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サクサク捌いて干物仕込む前に35㎝のアジを刺身にしてビールで1杯。
Twitterフォロワーさんから「大アジは2日寝かせた方が旨い」との情報をその後貰ったのだが後の祭り。しかし脂ノリノリ身はコリコリで激ウマの刺身であった。
37㎝はアドバイス通り寝かせてから食べてみることにしよう。
 
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船上では恨めしい風も干物づくりには心強い味方。
アジが大きくて冷蔵庫では干しきれないのでベランダで干したところ、折からの強風も影響し2時間ほどで絶妙の干し具合になった。
 
これで暫く美味しい干物には事欠かない!
 
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実家にもタタキ用中アジ3尾(出張シェフ)と干物4枚をお裾分け。
金アジの旨さを知っているのは人間だけではないようで猫まっしぐら!
 
取り込み時のバラしが減ったのは収穫だったけど、周りが釣れている時に何故かアタリを出せない課題も見つかったし、なにより旬の金アジは本当に旨い。
 
南西風が強い時の選択肢としては勿論、今後も折に触れて狙うしかありませんな。