青は藍より出でて・・・江戸川橋大勝軒

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昼時にこの店に行くと大抵はエスニック系バイト男子が厨房を任されているのだが、この日は珍しく店主が取り仕切っていた。

山田・二郎イズムと山岸・大勝軒イズムの最大の違いが、店主は現場にいるべきか、或いは経営者であるべきか、という点にあると思うのだが、個人的には山田・二郎イズムの方を支持しているので、こういうシチュエーションは歓迎すべきものであると思っている。

オーダーはつけワンタン。

しかしねー。

店主が一度水で締めた麺を再度お湯で温め俺の前に置いた。
これは大勝軒名物あつもりであるが、俺はあつもりを頼んでいない。

「あつもり頼んでないんですが?」と俺が言うと、
「あ、スイマセン。」とその麺を水で閉め直す店主。あんまりな対処である。
そして、
「つけ麺中盛りお待たせしました。」

「あのー、俺が頼んだのはつけワンタンなんですが?」
するとその店主、
「あ、スイマセン。」
と俺の前に置いた麺を再度お湯で温め直し、二つ隣の席の客に
「あつもり中盛りお待たせしました。」
と平然と提供していた。

もう目茶苦茶である。

その間俺に提供されるべき麺は茹でっぱなし、おまけにワンタンをすっかり忘れていた店主、慌ててワンタンを茹で初めてやっつけ仕事で俺に注文の品を提供した。

もうね、麺はぐにゃぐにゃ、ワンタンは生煮えで相互にくっついたおぞましい仕上がり、あまりの不味さにこれみよがしに残してやろうかとも思ったが、食べ物を粗末にするのは本意ではないので完食しましたよ。

悪いけど「ご馳走さま」とは言いたくない粗悪品、俺はそこまで寛容な人間ではないので無言で店を出た。
「あざーす」という店主のC調な挨拶が鬱陶しかったよ。

最近味が良くなったと思っていて、結構個人的には気に入り始めていた江戸川橋大勝軒、しかし残念ながら店主が作った一杯は昔ながらの不味い大勝軒はのものだった。

恐らくバイトは店主に仕込まれたマニュアルに忠実に料理をしているのであろうが、店主は店主故のある種の傲慢さと言うか怠慢と言うか、自らのマニュアルなど頭にないのであろう。

これからは店主のいない時間を狙って来るとしよう。

二郎イズムでは有り得ない結論に至った。