夏休みの宿題…9/7平塚・庄三郎丸

「釣りの醍醐味とは何か?」と問われれば沢山ありすぎて返答に窮してしまうが、「季節感」というものも釣りの醍醐味を構成する重要なパーツであることは間違いない。
 
秋には秋の、冬には冬の、春には春の、そして夏には夏の釣りものがある。
 
移ろい行く季節を、釣りを通して体感することが出来る。
これは間違いなく釣り人の特権である。
 
急速に日が短くなり、朝晩は涼しさを感じるようになってきた。
熾烈を極めた2012年の夏もいよいよ終わろうとしている。
 
しかし!
 
我が釣種ポートフォリオの中の夏の釣りの代表格、シイラ・ハンティングに今年はまだ出掛けていないのであった。
 
釣りの醍醐味を放棄するなんて釣りを愛する者としてしてはならない愚行。
仕事の谷間となった9月7日に緊急夏休みを取得すると、俺は13ヶ月振りに平塚へと向かった。
 
5時丁度に船宿に着いてみれば平日だというのに多くの人で賑わっていた。
しかし殆どの客は最近好調のカツオ/キメジ船の乗船者であり、シイラは大型船に3人のみと寂しい限り。
 
普段であればミヨシのお立ち台は血に飢えたマッド・アングラーども(bloodthirsty anglers)が占拠し、血眼でシイラを探しまくりながら殺伐とした空気を放出しているので、草食系アングラーの俺は脅えながら胴の間で大人しく竿を出すのが常なのだが、この人数なら遠慮無用!
 
堂々と左舷ミヨシを確保しちゃいましたよ。
 
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朝のうちは空は雲に覆われ、弱い北風が吹いていて完全に秋の気配。
この風と天気を嫌ったのかシイラの活性も全然上がらず、最初の1時間はワン・バイト、ノー・ヒット。
 
操舵室から聞こえてくる無線のやりとりも「何処にも鳥山がない」となにやら不穏な気配が漂っている。
う~ん、こりゃヤバイかなと思ったが、7時過ぎに到達したパヤオでそれが全くの杞憂であることが判明した。
 
“ジジ~~~!”
“ジジ~~~!”
“ジジ~~~!”
別に気に食わないオッサンに絡んでいる訳ではなく、これはドラグの音。
 
ルアーを投げれば猛チェイス、猛バイト、猛ヒット、猛バラシ、それでも猛キャッチ!
 
型は50センチから大きくても80センチ程度と小さめではあるが、恐ろしくヤル気のあるシイラどもが3人しか居ない客の3個しかないルアーを我先にと奪いあうように襲い掛かってくる!
 
最初は『なんだ、ペンペンばっかりかよ…。』と内心がっかりしていたのだが、それでも延々とヒットを繰り返していると段々腕が悲鳴を上げてくる。
 
圧巻は一つのルアーに2尾のシイラが食いつき大暴れ!デカイの掛かったと慎重に寄せてみれば腹のフックとリアのフック両方にシイラが喰い付いていやがる!!!抜き上げ直前に片方の針は外れてしまったけれど、なんだか恐ろしい事態である。
 
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10時頃から急速に天気が回復、風もますます凪いで真夏のような天気になってきた。
 
こうなるとシイラの活性も更に上がりそうなものだが、現実は逆。
パヤオについたシイラは激スレでチェイスはするものの一切口を使わない。
 
潮目や漂流物も少なめで、フラツキを見つけて仕留めるテクニカル・モードになってきたけど、まあ飽きない程度には釣れ続けた。
 
沖揚がり直前に巨大な鳥山が立ち、その下でキメジがボコボコ跳ねる大興奮劇場が出現!船長も船をかっ飛ばして急行するも、ノー・ヒットで直ぐにマグロは沈んでしまった。
 
最後にキメジゲットというドラマがあれば最高だったけど、シイラ大漁でなんとか夏休みの宿題を無事に終えることが出来たような心境だ。
 
【釣果】
6時出船、12時50分沖揚がり
ヒット沢山(30回以上)、ゲット沢山(20本ぐらい)

【タックル】
ロッド:PALMS CORALSTAR 70M
リール:SHIMANO TWIN POWER SW5000HG
ライン:PE2.5号、リーダー:フロロ40lb

【本日の総括】
いや~、雰囲気ありますなぁ、夏の相模湾は!
もっと早く来るべきだったと少し後悔した。
 
でもこれだけ釣れれば大満足、恐らく今年最初で最後であろうシイラ釣りを心ゆくまで満喫した。
 
惜しむらくはメーター・オーバーが1本も獲れなかったこと。
デカイの釣ったらキープしようとじゃんじゃんキャッチ&リリースをしていたら結局キープ・サイズは最後まで釣れず、よって魚の写真も撮り損なってしまった。
 
 
溜まっていた夏休みの宿題も終えたところで、さあ、いよいよ秋本番である。
 
秋の課題は何かって?
 
それは勿論オチの真鯛である。
 
6月以降煮え湯を飲まされ続けている横須賀沖真鯛
そろそろキッチリ落とし前をつけてやる。
 
待っていやがれ!