デビュー戦兼追悼釣行…8/12久比里「やまてん丸」

会社の後輩にして我等がバンドのギタリスト、fだけ小文字に拘るコダワリ系のfIVEさんが、カワハギ釣りに興味があるという。
 
剣崎も解禁になったばかりだし、タナも浅いし、船も最盛期ほど混まないだろうから入門にはもってこいと判断、お互いの都合を合わせて8/12に決行と相成った。
 
最近ゴルフに夢中で(?)釣り離れの著しいDDVセンパイも仕事が休みとのことで参加!これで役者が揃った。
最近孤独系・修行系のストイックな釣りが続いていた我が沖釣りライフだが、久々に賑やかな船上になりそうだ。
 
さてカワハギで有名な久比里の3軒の船宿には特に思い入れのある宿は無く、当日の雰囲気で決めればいいかなと漠然と思っていたのだが、釣行前夜にふとある事を思い出した。
 
それは我々の会社の大先輩にして、俺にとってはイカ釣り不肖の弟子でもあった“メチャ悪Ⅰ氏”(享年60歳)が亡くなってから8/16で丁度1年になるということ。
祥月命日に新盆が近いとなれば、ここは氏の常宿であった「やまてん丸」へ行くべきなのではないか?
我々の方向性はかくして決定された。
 
当日のカワハギ船は乗船客15人。思いのほか人が集まっており、結果的には2隻・3隻出しの山下丸と巳之助丸よりも混雑していたが、大型船だしタナは浅いし潮は長潮、釣りをするのに全く影響はない。(訳ではなかったんですけどね、実際は。)
 
いくつかの橋をくぐりながら平作川を久里浜へ向けて下る風景、この風景を最後に見たのは在りし日のメチャ悪Ⅰ氏とDDVセンパイと3人で乗船した、正にこの第二やまてん丸の船上からであった。
あの日はよく晴れた寒い1月のことだったけど、あの極悪オヤジは発泡酒を飲みながらはしゃいでいたんだよな…。
 
凪の海を30分程航行し、船は剣崎沖20mダチの夏ハギ・ポイントに到達。
程なく開始の合図があったが、直ぐに釣りを始めるのではなく、俺は出船前に久里浜駅近くのコンビニで買い求めた淡麗グリーンラベル(それは尿酸値の高かったメチャ悪Ⅰ氏が船上で愛飲していた銘柄だ)を1缶海に撒いた。
これから俺達は釣りを楽しむので、一緒に釣りをしたかったであろうあの極悪ジジイ(だんだん呼び方が粗雑になってきた)に、せめてビールだけでも飲ませてやろう、という殊勝かつ上目線的な弔い儀式である。
 
右舷トモから俺、fIVEさん、DDVセンパイと3人並んで実釣開始!
 
fIVEさんには俺の極鋭1454AIRにPE0.8号を巻いたスコーピオンという感度重視の宙釣りにフォーカスしたタックルを貸した。
多分初めての人にとって一番釣りやすいのはタルマセ釣りだとは思うのだが、根掛かりは多いし外道は多いしで手元に伝わるノイズが多く、カワハギのアタリが分からない。
回り道かもしれないけど、何もわからずタルマセで1枚釣れるのではなく、個人的にはまずカワハギのアタリを捕らえることがこの釣りを理解する上で一番重要なんじゃないかと思う。集寄も中オモリもつけず、極小サルカンを介すだけの直結仕掛け、針はワイドorハゲのアタリが出易い形状オンリーで宙を中心に攻め、まずはカワハギのアタリを捕らえることが出来るようになることを目標に定めた。
まずはシンプルに始め、それで釣れなきゃ色々足していけばいいのだ!
 
「・・・。」
言うは易し。
 
カワハギの微妙なアタリを口で説明するのって難しい。
そしてアタリから針掛かりさせるまでのプロセスもやアワセのタイミングも、説明するのが非常に難しい!
俺の語彙が少ないだけかもしれないんだけど…。
 
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「天気最高、凪最高、カワハギのご機嫌イマイチ!」
 
釣れないものの徐々にカワハギのアタリが分かるようになってきたfIVEさん、知らぬ間にエサをツンツルテンにされることが減ってきた!
こうなったら時間の問題である。
 
そして正午頃、
「おおっ!」
アタリが断続的に出て竿を立てたfIVEさん、その穂先は小気味良く連続的に叩かれている!この引き方は!
という訳で無事に取り込んだのは20センチ級の本命!やったね!
人生初のカワハギを宙釣りで釣るというのも珍しいだろう。でも1枚釣ったらもう大丈夫!それはタルマセで掛かるように“釣れた”獲物ではなく、宙のアタリを感知して掛けにいった“釣った”魚なのだから。
 
俺は日曜の夕方にサザエにじゃんけん勝負を挑むときのように、5本の指を開いてfIVEさんに突き出した。
それは「今日の目標は5枚!」という俺からのエールであり、ノルマであったのだ。
 
 
【釣果】
8時出船、15時沖揚がり
カワハギ17枚
(外道:ウマヅラハギ、ベラ、トラギス、キュウセン、キタマクラネンブツダイ、サクラダイ)
 
【タックル】
ロッド:DAIWAメタリア・カワハギ180M
リール:Abu Garcia Salty Stage REVO BJ-L
ライン:PE1号
 
【本日の総括】
久々の剣崎カワハギ、ろくに釣れた記憶がないのでどうなることかと不安もあったが(竹岡や小網代の釣り方は通用しないんじゃないか?)、結果オーライ、久々に良い釣りが出来た。なにしろ2週連続ボウスだったからなぁ…。
アタリの多いカワハギ釣りは、今や俺の釣りポートフォリオの中では癒し系種目に属するのだ。
 
初挑戦のfIVEさんも目標には届かなかったものの4枚釣ったし、DDVセンパイとはメチャ悪Ⅰ氏との釣行思い出話に花を咲かせることが出来たし(「なんであれだけカワハギ釣りに行ってたのに全然上手くならなかったんだろう?」「あの人はどんなに小さなワッペン釣ったって放流せずに持ち帰っていたな。」「雑誌の受け売りで“トラギス釣方で釣れる”なんてよくやってたけど、釣れたとこ見たことないね。」「え?あの人いつもライフジャケット付けてなかったっけ?体型がライフジャケットみたいだったから忘れちゃったよ。」等々。悪口ばかりのようだが“忘れないこと”こそが俺たちにとっての最高で最大の供養なのだ。)、非常に楽しい1日だった。
最近は仕事も酒も遊びも単独行動ばかりで日々偏屈さに磨きをかけている俺だが、たまには仲間とつるんで遊ぶことも悪くない。
 
さて、肝心の夏カワハギの味の方だが、オスは白子をはたいていたもののメスは大絶賛抱卵中の個体が多く、まだまだノッコミ継続中の模様。
真子をはたいた後のメスからは悪くない肝が出てきたけど、全体的に肝は小さく色も悪く、身は夏が旬というけれど個人的には厳寒期の身の方が旨いと思うし、まあこれからが本番のターゲットであることは間違いない。
 
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良型2枚は刺身で食ったが、この時期のカワハギはやはり加熱料理に向いている。
特にアクアパッツァはそれ自体が旨くて白ワインがグイグイ進むのだが、〆のリゾットは、昇天必至の破壊力である。
 
fIVEさんからは鯛めしならぬ“ハギめし”の、DDVセンパイからはカワハギの塩焼きの写メールがそれぞれきたが、料理上手の二人の写真はいずれもとても旨そうだった。まだまだ試すべきレシピもあるようだし、またこのメンバーでカワハギ釣りに行かねばなるまい。