孤独地獄・・・8/4野毛屋

大型が出てきているというし、タイラバにとって天敵であるアカクラゲも居なくなったというし、いよいよ俺の出番である。
 
待たせたな、真鯛どもよ。
 
大潮、正午干潮でミヨシもトモも均等にチャンスがある。
 
全ての条件は整った。
 
前日は早めに仕事を切り上げ、釣りの準備を万端に整え(最近忘れ物が多いので念入りにチェック…)、ついでに買ったばかりの目の細かい仕上げ砥石で愛用の出刃包丁をピカピカになるまで研いで、こみ上げる笑みを必死に抑えた。
この切れ味鋭い包丁で、明日は久々に良型の真鯛を捌くのだ。
 
楽しい釣りは数あれど、真鯛狙いの時の高揚感は他の釣りとは一線を画す。
嗚呼、ワクワクドキドキが止まらない。
 
さて翌朝。
 
目覚ましは4時にセットしたのに興奮からか3時半過ぎにパッチリと目が覚めてしまったので、シャワーを浴びてから少し早めに家を出た。
 
5時半に宿に到着すると真鯛船の先行者は6人。
少し迷ってから左舷ミヨシ二番手の釣座札を取って戦闘に備える。
 
しかしこの時にはまだ分かっていなかったのだ。
 
釣座なんて全く関係が無いということ・・・。
 
 
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【釣果】
7時20分出船、16時沖揚がり

【タックル】
ロッド:ZENITH零式 LIGHT G-TOP L 
リール:DAIWA RYOGA BAY JIGGING C1012PE-HWL
ライン:PE1号、ハリス:フロロ5号
 
【本日の総括】
アレアレアレアレ?
アタリなし。
外道なし。
2週連続の第二忠丸でボウズ、そしてタイラバに関しては3回連続してのノー・バイト、ノー・ヒット、ノー・フィッシュに終わってしまった。
 
潮も流れたし、アカクラゲも居なかったし、テンヤ組は活発に釣れ盛っていたというのに、何故だ?
そう、この日の竿頭は鴨居式で実に7枚、15時過ぎに上げ潮がピリッと効き始めると一時は俺を除いて船中殆ど入れ食い状態、俺の右隣の一つテンヤ初挑戦の客と左隣のキャプテン勇治がダブルヒットした時には激しい孤独感に苛まれて『このまま飛び込んで海の藻屑となってしまおうかしら?』と考えた。
 
自然が相手の海釣りにおいて、論理的説明がつかない事象というものは多々あるものの、それでもロジカルに考えて傾向と対策を練るのも釣りの楽しみ、この日の条件を考えれば釣れないまでもアタリすら無いという状況は全く考えられないのだが…。
 
そういえば最近のタチウオも金谷の群れは餌では釣れるもジグは見向きもされないし、一方第二海保周りの群れはジグは活発に追うものの餌では殆ど釣れないという。
真鯛でも同様の現象が起こっているのかもしれない。
 
それともあいつら秘密会議でも行って、俺のラバージグには食いつかないことに決めたのか?
 
真鯛にボウズは付き物、慣れっこではあるのだが、今の状況は初めて直面する事態であるとも言える。
 
う~~~ん。
 
これからどうしよう?
 
でもここでテンヤに切り替えたら負けだよな。
 
次もタイラバで挑みますよ、ええ、挑みますとも。
 
「涙の数だけ強くなれるよ」と岡本真夜は歌った。
ならば次回の俺はきっともっと強い。
 
そして俺も歌う。
「ボウズの数だけ優しくなれるよ」、と。
 
強くて優しい俺には、いつの日かきっと海の神様が大きなプレゼントをくれるはずである。