大衆心理・・・竹岡「梅乃家」

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乾麺使用だとか、スープは出汁を取らずチャーシューの煮汁をお湯で薄めるだけとか、とにかくその個性的な成り立ちが気になり、一度は食べてみたいと思っていた竹岡ラーメンの梅乃家。

千倉でフグ釣った帰り道、ふと思い立って寄ってみた。
思い立ったが吉日である。

日曜とは言え昼食時を過ぎてるし、人気店といえども地方都市、よもや大混雑なんてことはあるまいと高をくくっていたのだが、到着してみれば駐車場に空きがなく、車を降りるまでに一苦労。
この暇人どもめが!

行列は10人ほど。乾麺茹でるだけの簡単レシピ、店は結構広いし、こりゃすぐに入れるかなと思っていたけど一向に行列は進まない。
やっと入店できても着丼までが長い長い!
二郎のようなシステマティックなオペレーションもないし、そもそも地方都市では時はゆっくりと流れるのだ。

オーダーはラーメン並とトッピングの玉葱薬味。

並び始めてから着丼までおよそ30分。
京都新福菜館を彷彿させる漆黒のスープに山盛りの刻み玉葱。
今までに見たことの無い異様な光景に期待は高まる。

溢れんばかりの漆黒のスープを啜ってみる。
しょっぱい。
舌が痺れそうな猛烈な塩分濃度である。
これは厳しい。

そして噂の乾麺を一気に啜る。
茹ですぎたサッポロ一番のような味と食感、二郎の小麦香る太麺に慣れ親しんだ身にはこれまたかなり厳しい。

この分ならチャーシューも期待できないかなと思ったが、チャーシューというよりも豚の角煮と言った方がシックリくるような豚バラ肉はジューシー、トロトロで非常に旨い!
そして濃すぎる味を中和する刻み玉葱が良いアクセントになっている。
麺、チャーシュー、玉葱を同時に頬張ると三位一体の混然としたハーモニーが奏でられ、悪くないんじゃないかと思えてくる。
ああ、車でなければビールが飲みたいなあ!

結論としては、ここでなければ食べられないという必然性が感じられる貴重な一杯であると言えよう。

しかし個人的な好みからは正直かけ離れている。
わざわざ食べに来ようとも思わないし、釣りで疲れた身体に鞭打って行列に並びたいとも思わない。
一度食べれば充分かな?

竹岡のラーメン事情は全く知らないのだが、ここ以外に店が全く無いということもあるまい。
それでもこの飽食の時代にあって乾麺のラーメン店に連日行列が出来るという不思議、これってきっと大衆心理なのだろうな。

と言いつつ、暫くしたらふとフラッシュバックして猛烈に食べたくなっちゃったりして。