有終の美…5/12野毛屋

エビタイが開幕したものの小潮周り限定でノッコミアオリを狙っている野毛屋第二忠丸。
 
しかし第一弾出船の5/1、俺が竹岡沖の浅場で捕獲したアオリは僅か300g程の小型であった。
 
これではシーズンを締め括れない!
 
5/12(土)ノッコミアオリ船第二弾初日、俺は気合を入れていつもより30分早く家を出ると、金沢八景へと向けて車を走らせた。
 
開店前に現場に到着するのは100回を超える野毛屋参詣で実は初めてのこと。
しかし・・・。
 
野毛屋前の路上には車・車・車、そしてシャッターが閉まった店の前には人・人・人!
ラーメン二郎神保町店かよ、ここは!?
 
目の前の恐ろしい光景に唖然とし、車を停めて呆然と佇んでいたら駐車券を持った社長が小走りにやってきた。
なんと俺の車で22台目だという。
「フグに白子が入ると昔は毎日こんな感じだったんだけどね~。」
と社長。
そうか、フグの白子に魅せられた食いしん坊万歳どもが大挙して押し寄せたって訳か。
ちょこっと安心して行列の最後尾につき釣座札の順番を待つ。
しかし、
 
「…。」
 
俺の順番が来た時にはアオリ船先行者12名!
マジかよ、フグ船より混んでるじゃねえか!
 
潮はほぼ終日落と潮、風向きは終日北寄り予報、という訳でトモ側から釣座は埋まっていき、左右ともトモは4番手まで、ミヨシは2番手までが埋まっていた。
俺は暗澹たる気持ちで左舷トモ5番手の釣座札を取り、受付を済ませた。
『せめて1杯型が見れれば…』
爆釣期待の30分早起きも報われず、出船前にテンションは急降下だ。
 
結局左舷側8人、右舷側7人、総勢15名乗船というのは今シーズン俺が乗った中で最大人数。
季節外れの船アオリに挑む猛者は俺の想像以上に居たということか。
我が釣座は左舷のトモから数えて5番目、ミヨシから数えて4番目の完璧など真ん中である。
兎にも角にも軍隊並みの規律と気合をもって鬼のしゃくり作戦を展開しアオリにエギをアピールしなければ型を見ることは出来ないであろう。
 
40分程の航行の果てに竹岡沖についてみれば、
「なんだ、あれは!」
未確認飛行物体でも発見したかのようなキャプテン勇治の咆哮、それは正に攻めようとしていたポイントに群れをなした職漁船が網を投入していたのが見えたからだった。
「普通は朝の8時って網を巻きに来る時間だろうがよお!」
そうなの?
キャプテンは職漁船にブツブツ言いながら、船を更に南へと進めた。
 
出鼻を挫かれた格好となったが、網の起点の南側の妥協ポイントからスタート。
最初の指示ダナは20mと思いの外深い。
 
「…。」
 
妥協ポイント故か、イカからのコンタクトは無い。
1時間半程竹岡を攻めたもののマルイカ2杯が上がったのみで、その後船はフルスロットルで北上、大貫の観音様の真下の浅場へと移動した。
 
イメージ 1
 
大貫に移動して直後、潮上の左舷ミヨシのアングラーの竿が弧を描いた!
これはアオリに違いない!
 
この1杯をキッカケに、その後断続的にアオリが乗り始めた。
 
そして遂に、
“ズドン!”
“キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!! ”
右舷側で2人同時にヒットし、船長と中乗りエストシ君(仮名)が揃ってタモを持って取り込みに行く姿を羨ましげに見ていたら、なんと俺にも乗ってきたのだ!
ひと足遅れて船長御自らがタモ持ってサポートにかけつけてくれたが、カンナが足にガッチリと掛かっており難なく取り込めた。
 
イメージ 2
 
目測700gってとこか?
ノッコミの時期としては小さいけど、とりあえず本命の型を見れてほっと一息といったところだ。
 
その後の流しでも船中誰かしらにアオリが乗り続けた。
しかも1.4kg、1.5kgというグッド・サイズも混じってきている。
キャプテン勇治のマイク・パフォーマンスも往年の冴えを取り戻してきた。
こんなにもエキサイティングな第二忠丸は久し振りだ!
 
その後指示ダナ8mを攻めている時にステイしたエギを引っ手繰るような感触があり慌てて思いっきりアワセると、
“ズドン!”
“2杯目、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
1杯獲れたことで大型のみにフォーカスし4.5号のエギを使っていたのだが、これまた7~800gの中型だった。
しかし浅場で掛かるアオリは横に走るので、結構な引き味を味わわせてくれる。
 
そして遂にその時は訪れた。
 
6秒に1回規則正しくしゃくっていた竿が物凄い衝撃と共に止まった。
根掛かりかと勘違いするようなこの手応えは…、
“デカイノ、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
 
竿は根元からフルベンド、久々に味わうこのイカとは思えないような強烈な引き味は間違いなく良型のアオリイカだ!!!
中オモリを掴んでハリスを手繰る。
重い!指が痛い!
 
イメージ 3
 
中乗りエストシ君に取り込んでもらったのは、自己記録には及ばないものの1.4kgを超えた大物であった!
そうだ、お前に会いたかったんだよ!
 
その直後にハイライト、右舷側で5人同時ヒットを含む6連チャンがあり、まさにキャプテン勇治が的確にアオリの群れを捉えたのだ!
 
これは恐ろしいことになるかもしれないと続々したが、このハイライトでアオリ祭はあえなく終焉、午後は前回2kgオーバーが出たという竹岡を攻めるも不発、その後フグ場に程近い大貫沖の富津岬近辺を攻めるも1杯のみ、最後に第三海保を攻めるも不発、こうして15時30分、「すいませ~~~ん、これで仕舞っていきますから!」という玉音放送が流れてノッコミアオリとの戦いに終止符が打たれた。
 
イメージ 4
 
【釣果】
7時15分出船、15時30分沖揚り
アオリイカ3杯

【タックル】
ロッド:マニアス・アオリスペシャル350
リール:カルカッタコンクエスト301F
ライン:PE2号、ハリス:フロロ5号
 
【ヒット・ルアー】
YO-ZURIアオリーQマーブルサクラダイ4.0号、4.5号 
 
【本日の総括】
朝一船宿に着いた途端に絶望の淵に追い込まれたが、この時期に胴の間で3杯も獲れたら“快心の釣り!”と言ってもよかろう。
釣り味もイカの食味も厳寒期に深場で釣れるアオリの方が勝っていると思うけど、乗ったときの衝撃とドキドキ感はノッコミのこの時期特有の楽しさがある。
 
4月以降冴えない釣りが続いていた我がアオリ史だが、最後の最後ここにきてやっと満足できる釣りが出来た。
これで今シーズンを気持ち良く締め括れそうだ。
 
これからは夏の釣りが俺を待っている。
 
アオリが終わっても俺の野毛屋参詣はまだまだ続いていくのである。