復讐するは我にあり…4/29丸十丸

そうだ。
俺は最も大切な“攻めの姿勢”を忘れていたのだ。
 
「数釣って癒されたい!」なんて、“おきにいく”から千倉の海からも見放されるのだ。
 
千倉からの帰り道の車中ツラツラと考えて、俺の連敗が始まった船で復讐を果たさない限り、俺の釣り運が上昇することは無い!という結論に達した。
 
よって翌日は小網代の丸十丸カワハギ船へ!
最近季節外れの極鋭カワハギ1332AIRを買ったという季節感のない友人(仮にA君)も誘って二日連続で船上の人となった。
 
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ベタ凪である。
まるで私という人間そのもののような穏やかな海である。
 
片舷5人ずつの10人という適正な人数と相俟って、爆釣の予感がしてきた。
 
最初のポイントは港前の水深15~20m。
浅場のノッコミカワハギ狙いである。
 
底には定置網から伸びるロープがあちこちあるというので、底を切って宙釣りで開始。
魚が浮いてりゃ俺一人爆釣だぜ、うひひ。
 
「・・・。」
 
開始早々左右両ミヨシで大爆釣、他の釣座でもポツポツ釣れているのに、俺一人だけが完全に蚊帳の外なのであった。
 
宙でもアタリが無いわけではない。
しかし何故だか全く針掛かりしない。
 
1枚目をようやく釣り上げたのはなんと出船1時間後の9時前のことであった。
しかも宙から誘い下げてゼロテンションで待ってたらアタリがあったものの掛け損ね、慌ててタルマセたら喰ってきたという打算的なものであった。
 
う~ん、もしかしたらタナはベタ底が合っているのか?
 
そこで針をパワースピードに変え、仕掛け最上部に2号のガンダマを噛ませる。
そしてあまりやらないタタキ・タルマセ釣りで挑んでみたのだが…。
 
エサは知らない間に取られるものの、全く針に掛からない。
そして頻発する根掛かり。
 
・・・。
 
駄目だ、全く面白くねえ!
あのジリジリとした初期アタリを察知し、そこから針掛かりさせる駆け引きこそが俺が思うカワハギ釣りの醍醐味、中オモリつけてタタキ・タルマセなんてオートマティックな釣りはいかに釣れようとも(釣れてないけど…)面白くもなんともないのだ!
 
そこでまた針をワイドに戻し、宙を中心に探っていくことに。
 
いや~、でもこれが完全に裏目に出たかな?
 
正午の時点でトップは30枚とかいってる大爆釣なのに、俺の釣果は僅かに6枚、反対舷の小学生と壮絶なスソ争いを演じていたのだった。
 
更に悪いことは重なる。
底を50センチ切っていたのに根に当たったか突如ガッチリと根掛かり。
仕掛けとオモリのロストを覚悟して道糸を掌に巻きつけ思いっきり引っ張ったら、なんと手の直ぐ下で道糸が切れてしまったのだ!
 
う~ん、感度が命のカワハギ釣りということで0.8号を使っていたのだが、個人的な感覚では感度は1号とまるで変わらないし、オマツリや根掛かりの多いこの釣りで強度不足は致命的なような気がするし、今後は1号で統一しようかしら?
 
ここでサブタックルにチェンジしたのだが、釣り方は変えていないもののこれがスイッチとなった。
急に宙で釣れ始めたのだ!
全く、人生何が幸いするか分からない。
 
スペック的にはサブ・タックルの方が感度が悪いはずだし宙釣りにも向いていないはずなのだが、こちらに変えてからの方がカワハギの微妙な前アタリがハッキリと感知出来るようになった気がする。
手に馴染んでいるからか、或いはタックル・バランスの問題か、う~~~ん、理由はよく分からないけど、確実に言える事はタックルの良し悪しは値段に比例する訳ではないのだ。
 
という訳で前半4時間で6枚と苦戦たものの後半3時間で16枚釣り22枚でフィニッシュ。
なんか釈然としない気持ちも残ったけど、ようやく借りは返せたぜ!
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【釣果】
8時出船、15時沖揚がり
カワハギ22枚
 
【タックル】
<釣れた方>
ロッド:DAIWA メタリア・カワハギ 180M 
リール:Abu Garcia Salty Stage REVO BJ-L
ライン:PE1号
 
<あまり釣れなかった方>
ロッド:DAIWA 極鋭カワハギ 1454AIR 
リール:SHIMANO スコーピオンXT1501-7
ライン:PE0.8号
 
【本日の総括】
連敗脱出!
 
この日の正午を持って俺の釣り運は転機を迎えたようだ。
これからは無敗の連勝街道を歩くことになりそうだ。
 
さて、釣れて良かったと思ったのも束の間、この日帰ってからいつものように魚を捌き、前日釣ったフグと一緒に刺身にして肝ポン酢で食べたら・・・
 
「不味い!」
 
肝は臭く、身は全く旨みが無いというか何の味もしない!
あんなに旨い魚が、ノッコミに入るとこんな雑魚みたいな味になってしまうのか!?
 
一月前とはまるで異なるその食趣に愕然としながら手元にのこる大量の獲物を呆然と見つめるしかなかった。
 
何故秋から冬にかけてのカワハギがあんなに珍重されるのか、何故四国や九州ではカワハギがありがたがられないのか、その理由を身をもって知ったような気がする。