重労働・・・11/5太田屋

6枚に終わってしまったことが悔しくて、カワハギリベンジも頭を過ぎったが、擦った揉んだの末に土曜日は地元の友人(仮にA君)と太田屋の午前タチウオ午後スミイカのリレー船に乗ることにした。

数日前からタチウオの群れが観音崎沖から姿を消しており、厳しい戦いとなることは必至であった。
釣り運大低迷中の俺ではあるが、全ての人に平等に釣れない釣りであれば己の不運を嘆くこともなかろう。
そして荒行・修行で負の連鎖を断ち切ることが出来るかもしれない。

更に保険で午後スミイカつけとけばおかずの捕りっぱぐれは防げるだろう。

完璧だ!完璧なプランだ!


釣果がダイレクトに集客に結び付く船宿稼業、大勢のジギンガーで賑わう第七太田丸も最近の厳しい釣果を受けて乗客は3人とガラガラだ。
聞けば前日は客一人、釣果も1本という悲惨な状況だったとのこと。

しかしモノは考えようで、魚は釣れないかもしれないがきっとオマツリもない。
少なくとも釣れない上にオマツリ頻発というGO TO HELL状態は避けられそうである。

案の定ポイントに着いてみれば観音崎沖のタチウオ船団は散らばっている。
そして船の絶対数も盛期に比べると随分少ない。

しばらくウロウロした後に反応が見つかり負け戦の火蓋が切って落とされた。

水深は80m。

ん?

なんか糸を巻くのに違和感があるな。

いきなりリールに不具合(恥ずかしいので理由は秘密)が生じ、予備リールへ変えることに。

しかし予備リールにはリーダーを結束していなかったものだからいきなりのタイム・ロスだ。
戦いに臨む際は勝ち目が薄かろうと万全の準備を怠ってはいけない。
このように釣りとは単なる娯楽ではなく、人生を学ぶ場所でもある。


“ドンッ!”
              “ドンッ!”
“ドンッ!”


げっ!
俺がリーダーを結束している最中に友人(仮にA君)が連発、更にミヨシのおじさんも本命をキャッチしてるじゃないか!
今日は顔を見れたら御の字と思っていたけど、今ってもしかしたら絶好の時合いなんじゃないの?
焦る心を抑えてライン・システムを組み、戦線に復帰。

しかし時既に遅く、モーニング・サービスは終了していたようで・・・。

その後は誰も何も釣れない時間が続いた。

『生まれてすみません。』

・・・。

やばい!度重なる不運のせいで、俺に太宰が舞い降りてきた!

俺はネガティブな気持ちを振り払うべくデカダンス・ジャークを繰り広げた。
すると、
“ドンッ!”
“キターーーーーーー!”

俺の退廃的なメタル・ジグに無頼派のタチウオが噛み付いたのだ!
上がってきたのは指4本のなかなか見所のある猛者であった。

結局この後もタチウオの活性は上がることは無かったが、沖揚がり時には3本のタチウオがクーラーに入っていた。
船中釣果は3人で10本。ギリギリセーフ。
良型が揃ったことがせめてもの救いか。
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さて午後の部。
出船前にスミイカはまるで初めてという友人(仮にA君)に軽く釣り方と取り込み方(スミイカ釣りにおいて最も大事な取り込み方を指導しない船長が多いのは何故だろう?)をレクチャーして、12時半に本日二度目の出船!

午後は落と潮、朝の出船時は北風だったので右舷大ドモから並んで釣座を押さえたのだが、午後から風は南西に変わってしまった。
則ち、右舷大ドモは完璧に潮上である。
・・・。
な~んか嫌な流れが継続している。


『恥の多い生涯を送ってきました。』

・・・。

ヤバイ!低迷を続ける釣り運を呪い、再び太宰が降臨してきた!

もはや俺のエギは玉川上水入水状態、死んだも同然の覇気の無さである。

“ジワ~~~。”
覇気の無い俺が持つ覇気の無い竿の覇気の無い穂先が全く覇気無くもたれた。
アワセてみると、
“ズドン!”
“キターーーーーーー!”
季節柄新子が欲しいところだったけど上がってきたのは300g程の普通サイズのスミイカだ。

そうだ、スミイカのエギングの基本はあまりエギを動かさないデッド・エギング。
俺の厭世的かつ退廃的なデカダンス釣方は実はスミイカにはドンピシャだったのだ。

船長からはハリス3m推奨、そして10秒に一度しゃくるように指示が出ていた。周りのお客さんもまるでアオリを狙っているかのようにビシバシしゃくっている。エギをアピールして空アワセで掛けていく方法だ。
一方の俺は1.5mのショート・ハリス、しゃくりも20~30秒に一度軽く竿を煽るだけ。
竿は水平に構えて穂先のもたれでアタリを取りアワセる方法。
ハリスは短い方が正確なタナ取りがし易いし、経験的にはビシバシしゃくるよりもデッド・エギングの方が乗りが良いように思う。

1杯乗ったことで迷いがなくなり、俺は1人デッド・エギングを続けた。
迷いが無いと不思議と釣れるもので、その後も順調に数を伸ばしていった。いつもこうならいいのに、そうは問屋が卸さないところが釣りの面白さでもある。

一人だけボウズが消えず船長も30分延長し5時まで粘ったが結局船中0~10杯。
俺はバラシが2回あったけど8杯キャッチ。潮上で船中2番手なら上出来だ。
久々に快心の釣りが出来たと言ってもよいかな?

友人(仮にA君)も初めてながら2杯キャッチ、これでスミイカにハマルのは間違いないだろう。
だって美味しいからね!

この日の午後船が転換点となり、これで悪い流れが変わってくれれば良いのだけど・・・。
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【釣果】
<午前船>
7時出船、11時10分沖揚がり
タチウオ3本
<午後船>
12時30分出船、17時沖揚がり
スミイカ8杯

【タックル】
<午前船>
ロッド:TENRYU OCEANIA OC581B-4
リール:Abu Garcia Salty Stage REVO BJ-L
ライン:PE1号、リーダー:フロロ5号、先糸フロロ40lb
<午後船>
ロッド:マニアス・フグ・リミテッド 
リール:SHIMANO カルカッタ・コンクエスト301F
ライン:PE2号、ハリス:フロロ3号

【本日の総括】
7時出船、17時沖揚がり。
10時間に及ぶ午前・午後のリレー船はやはり疲れるけど、この日海は終日穏やかで最高の釣り日和、こんな日は沖に出てるだけで気分が良い。

帰宅は6時半を過ぎ、道具を片付けて獲物を捌いて食事にありつけたのは8時過ぎだった。

リレー船は休前日に乗船するのがやはり正解だろう。