怒りの朝食・・・ラーメン二郎三田本店

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時として会社とはタチの悪いジョークそのものに感じることがある。

更にタチの悪いのは、そのジョークに自分自身も含まれているという厳然たる事実である。

あれもこれも滑稽だけど。笑いを堪えて頑張って行こう。



さて、仕事の締切が迫っていて切羽詰まっていたある日、出勤前に開店直後のラーメン二郎三田本店へ突撃した。

元気とやる気を注入し、更に腹持ちが良いのでランチを省ける為、ノンストップで仕事をして作業効率を上げていこうという目論見である。

9時過ぎに現場に着いてみれば店内は満員、そして既に5~6人が並んでいた。
世の中物好きな人や変わった人が結構な数いるものである。


オーダーは小ラーメン麺固め、トッピングは野菜、アブラ。


野菜の山を切り崩していたら丼から結構な勢いでスープが溢れ出し、我がカバンを直撃してしまった。
マシコールをしたことでスープの表面には凶悪な液体アブラの層が出来ていたこともあり、カバンについた染みは拭けども拭けども落ちなかった。

・・・。

まあ良い。生ける伝説・ラーメン二郎三田本店のスープで作った染みならば、それは勲章みたいなものだ。

肝心のラーメン、今日はスープに甘味が感じられなかったが、勿論美味しくない訳ではない。
2切れ入った豚は、片方はジューシーで激ウマ、もう一方はパサパサ気味の端肉でイマイチと、一杯の丼の中で大きなブレを具現化してくれる二郎らしい懐の深いものであった。


食事を終えて膨らんだ腹を抱えながらヨロヨロと田町駅へ向かう。
すると当然の事ながら慶應の正門の前を通ることになる。

慶應の正門を見ると、今年読んで恐ろしいまでの衝撃を受けた白石一文の小説「僕のなかの壊れていない部分」のラストシーンが否応なしに甦るのであった。

白石一文ラーメン二郎というアンビバレントな組合わせは、どうしてもそぐわないと言うか、なにかしら不自然で不吉なものを感じる。

でも俺以外にもここを通る度に「僕のなかの壊れていない部分」を思い出す人がきっといるのだろうなと思ってなんとなく不思議な感じを覚えた。

コンビニで黒烏龍茶を買い求め、それを一気に飲み干してから会社に向かった。


会社では昼食を摂ることなく仕事をこなした。二郎との因果関係は不明だが何故だか頭も冴えて仕事が捗り、翌日までかかるだろうと覚悟していた難題が19時には片付いた。

過剰な朝食が人体にもたらす影響は計り知れないということか?

“朝二郎”とは出来る大人の賢い選択の一つなのかもしれない。