神の怒り・・・8/21千倉「千鯛丸」

低調な湾フグを尻目に、千倉でフグが爆釣続き。

8月に入り真鯛、タチウオ、シイラと非繊細系な夏の釣りを楽しんできた俺だが、そろそろあの繊細な釣り味とフグ料理が恋しくなってきた。

そんな訳で湾フグフリークのDDVセンパイを誘って千倉へ突撃!

・・・。

しかし深夜2時に家を出ると、辺りはワイパーを最強にしても前が見え難いほどの土砂降りの雨。いきなり萎える。
でも希望的観測ではあるが、東京都大田区の天気と南房総市千倉町の天気が一緒だとは限らないではないか。
予約もしてあるし、雨が降ろうが槍が降ろうが(例えが古い) 行くしかないのだ。
やるっきゃない!(c)土井たか子

富浦ICを降りても雨は降っていたが、千倉が近付くにつれ徐々に止んできて、千倉港に着く頃にはすっかり雨もあがった。

そして出船の頃には雲が切れ、うっすらと陽が射してきた。
上空を見渡すと、西側の陸の上にも遥か南や東の海上にも厚い雲が横たわっているのに、南房総上空だけポッカリと穴が空いたように雲が無い感じだ。
これをラッキーと呼ばずしてなんと呼ぼう?俺とDDVセンパイの日頃の行いが余程良いに違いない。

船は20分程の航行で千倉東沖へ到達。ここは最近トラフグがよく釣れているポイントらしい。

合図があって実釣開始!
湾外フグ初体験のDDVセンパイへの俺からのレクチャーは、「東京湾の釣り方と全く同じだから。」の一言。だって俺だってまだ3回目だもん、それ以上の引き出しは皆無に等しい。

するとポンポンポーン!と三連チャンのDDVセンパイ。え?俺まだ1尾も釣ってないのに・・・。
いずれにせよ大丈夫そうだ。
スロースターターの俺もDDVセンパイを追い掛けるようにポツリ、ポツリと釣り上げていく。

誘って誘ってアタリを出す。そして微細なアタリをキャッチして仕掛けに乗せるようにアワセて掛ける。
うん、コレコレ!カットウが10号から25号に変わろうとも、湾フグ同様の繊細で面白い釣りだ!
しかも最近の湾フグだと1日しゃくってアタリが数回ということも珍しくない。
しかしここ南房ではしゃくりの数だけアタリがあるのだから、正に“フグパラダイス!”(c)calmさん

途中で俺とDDVセンパイはリリースサイズのチビフグを連発させる時間帯があって、心が折れた俺は釣りを止めてマッタリと食事タイムをとったりしたが(湾フグではあり得ない余裕がここにある)、それでも概ね順調にバケツの中はフグで埋まっていった。
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起きた時の天気を見て怯んだけど、思い切って来て良かった。
波も無く風も無く涼しい釣り日和、おまけにフグさんのご機嫌も良いようで最高!
やはり日頃の行いは大切だ。

などと不遜なことを考えていたらポツポツと雨が降り始めた。

慌ててレインウエアを着込む。
すると雨は徐々にその勢いを強め、そしてゲリラ豪雨的に凄まじい降り方となったのであった!

それは正に“日頃の行いが良いから”という俺の不遜な思い上がりに対する、天の神の鉄槌というような怒りに満ちた雨だった。
俺は神の怒りに触れてしまったのだ。

やはり謙虚さを美徳として生きていかねばなるまい。

肝心の釣りの方であるが、左舷胴の間の喰わせ釣りの方と、左舷大ドモの縦にカットウを2個連結した2段カットウの方が圧倒的に数を伸ばしていた。
これは即ちフグが浮いているという証左に他ならなかった訳だが、これにもっと早く気付いて釣り方をアジャストしていたらもっともっと数も伸びたかもしれない。

喰わせ針がフグに丸呑みされて切られた後も仕掛けを変えるのが面倒臭いからそのままカットウ1本で勝負を続けた。数を釣りたい思いも無くはないのだが、持ち帰るには充分過ぎるフグを既に釣り上げてしまっているし、浮いたフグをカットウで仕留めるというテーマを自分に課しての釣りを展開する。

しゃくり幅を大きめにとって、1m上でステイ。そしてゆっくりとした落とし込みで浮いたフグを底へと誘いカットウに掛ける。
狙い通りに掛かるとアドレナリン全開の面白さだ!

いつしか雨も止み(神様、ありがとうございます!)出船時と同様の穏やかな天候の中、12時に沖上がりとなった。

【釣果】
4時50分出船、12時沖揚がり
ショウサイフグ51尾(キープ42尾、リリース9尾)
外道:カワハギ2枚(28㎝、29cm)

【タックル】
ロッド:エアボーン・スティック30T-200
リール:カルカッタ・コンクエスト301F
ライン:PE1号

【本日の総括】
“状況判断とアジャストの遅さ”という課題も見つかったが、食べるに十二分で大満足な釣果だ。
天の神の怒りはかってしまったが、海の神の怒りはかわないように持ち帰った獲物は全て美味しく頂かなければならない。

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そんなわけでフグのタタキとカワハギの刺身、そしてフグチリを振舞う為に眠い目をこすって実家へと向かった。
旦那が出張中の妹と子供達も呼び、三世代で獲物に喰らいついて25尾程度を片付けることが出来た。

「俺の釣ったフグなど危なくて食えぬ」とお裾分けを拒み続けていた両親も、妹が旨い旨いと食べるものだから恐る恐るタタキと鍋のフグの身に箸をつけ始めたが、終いにはガンガン食べるようになっていた。
やはり旨いのだ。

一方外道で釣れた2枚のカワハギ、千倉のカワハギは前回もそうだったけど総じて型が良く、ともに尺ハギ目前のビッグ・サイズであった。カワハギ釣りに行ったってこんなのは滅多にお目にかかれない。
しかしね、夏ハギの肝って初めて食べたけど全く美味しくなくてビックリした。
やはりこの魚は肝パンの秋冬に狙うのが正解のようだ。

さて、そもそも一貫して“数釣り”に興味は無いのだが、“数釣り”好きの言い分として「数釣りが嫌いなのはいいけど、じゃあ狙ったら釣れるの?」というのがある。(これに辟易して管釣りから足が遠のいた面もある…。)
今後は実家もフグを貰ってくれそうな気配だし、次回は今日の課題を克服すべく、沢山釣ることを目標に定めてみてもいいかもしれない。