原点回帰・・・8/3平塚「庄三郎丸」

思えば釣りにハマったのはトラウトのエリア・フィッシングからだった。

ルアーをキャストして、ルアーを操って、ルアーで魚を釣る。
餌を使わないので効率が悪い上に技術が必要で、しかし魚との駆け引きがその分面白く、極めてゲーム性の高い“ルアー・フィッシング”に気が付けばどんどんのめり込んで行った。

最近でも“ルアー・フィッシング”が好きな事に基本的に変わりは無い。
しかし、ジギングにしても、タイラバにしても、アオリやスミイカのエギングにしても基本はバーティカルな釣り。
ルアーを遠投するような釣りとはとんとご無沙汰であった。

そこでシイラである。

今年は開幕から好調に釣れており、シーズン中に一度は行こうと思っていたのだが、遂にチャンスが訪れた。


自営業を営む釣友・DDVセンパイの休みに合わせて水曜日に緊急夏休みを取得すると、我々は平塚・庄三郎丸に集合した。

平日でシイラの客は15,6人といったところだが、それでも二隻出すという、良心的な御宿だ。
シイラ船のミヨシは血に飢えたマッド・アングラー部隊が占領して殺伐とした雰囲気を放出するのが常なので、草食系釣り師の我々は(本当はDDVセンパイはロールキャベツ系男子なのだが、イヒヒ(*^.^*))左舷の胴の間を陣取った。

遥か南方にある台風の影響で港には深いウネリが入り込み、出港の際に船は錐揉み・ダッチロール状態!
こりゃヤベーかなと思ったが、一旦港を出てしまえば沖の方はウネリは殆ど無く、風もそよそよ程度。更に嬉しい誤算は曇り時々雨予報だったのに相模湾上空は晴天!これはシイラには絶好の条件だ!

群れが見つからないと延々とあてのないクルーズを続けキャストすることすらままならないシイラ釣りだが、やはり今年の相模湾シイラ戦線は一味違う。

南方沖では至る所でシイラの姿を確認!
そして誰かがヒットさせるとワラワラとワラサじゃなかったシイラが湧いて来る!

俺も最初のポイントでアッサリとヒット&キャッチ!こんなに簡単でいいのか?
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今季1本目は80センチ程のメス。

ターゲットが見える、そこにルアーを正確に打ち込む、するとチェイスが見える、バイトの瞬間が見える、一旦掛かれば走るわ跳ねるわで大興奮、いや~、トップ・ウォーターのゲームは超面白い(≧~≦))!!!


船中は概ね賑やかだったのだが、圧巻はサメ付きのイワシ・ナブラに遭遇した際、右舷ミヨシの青年が掛けた20kgオーバーのキハダマグロ
極限まで絞り込まれる竿、唸りを上げるドラグ、そして間近に見るキハダマグロの迫力!
一旦は船の5m前ぐらいまで寄せたのだが、残念ながらラインブレイクでキャッチならず。
しかしそのファイトの様は俺を、否、船中を興奮させるに十分と言って余りある光景だった。
相模湾でこんなビッグ・ファイトが出来るなんて正に釣りロマン!

その後は大きな群れには当たらずに、フラツキを見つけて一撃で仕留める拾い釣りの様相を呈してきた。
こうなると圧倒的にミヨシのマッド・アングラー部隊の独壇場だ。
それでもフラツキのファイトに誘われて他のシイラが寄ってくることもあって、飽きない程度には楽しめた。
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曇り時々雨の予報は見事に外れ絶好の釣り日和!

しかしこのフィーバーに唯一人乗り遅れてしまった男が居た。

…そう、我等がDDVセンパイその人である。
朝一のシイラのヒットでリールのドラグが破壊され、ドラグの調整がほぼ出来なくなっていたのだ。

メーカーの名誉の為にも敢えて名は秘すが、その北欧生まれの仮にA社のリール(あ、スイマセン、バレバレですな)はドラグが弱いという定評があるが、スピニングのドラグは同社のベイト以上に弱かったようだ。
相手が暴走系なだけにリールの強度、ドラグのレスポンスと微調整は重要なファクター。
強靭な肉体が繰り出すDDVセンパイのキャスティング能力は高く、圧倒的なルアーの飛距離をたたき出していたのでタックルの不具合さえなければ全く違う結果となったであろうことは容易に想像出来る。
万全の準備を調え、今季中に是非とも一緒にリベンジに行きたいところだが、さて果たして・・・?

後半は大きなシイラの群れに遭遇したのだが、散々他の船に叩かれた後なのかルアーに対する反応が極めて悪く、チェイスやショートバイトはあるもののヒットに至らない。

沖から岸へと向かいながら探索を続けたが、結局活性の高い群れにはあたらず、12時50分に船長は終了を宣言した。
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【釣果】
6時出船、12時50分沖揚がり
11回ヒット、8本ゲット

【タックル】
ロッド:PALMS CORALSTAR 70M
リール:SHIMANO TWIN POWER SW5000HG
ライン:PE2.5号、リーダー:フロロ40lb

【本日の総括】
数が多いだけでなくサイズも90センチ以上が殆どでペンペンなんていやしない、相模湾シイラ戦線の好調は事前の情報通りであった。

しかし楽しんだ反面、それなりの代償も払わなくてはならず、翌日から3日間右腕の烈しい筋肉痛に悩まされることとなった。

マグロを掛けたミヨシの青年は17本キャッチ、船中小学生2人を含む8人でボウズ無しの81本キャッチ、正に圧巻の釣果である。

オール・リリースするアングラーが多い中、俺はちょうど1m程のオスを1本キープした。
漬けをどうしても作りたかったし、ムニエルも食べたかった。
(いずれも予想以上に旨かった。)


秋には秋の、冬には冬の、春には春の、そして夏には夏の楽しみがあるというのが釣りの素晴らしいところだ。

汗かき・暑がり・虫嫌いの俺にとって夏は鬼門ともいうべき季節なのだが、いかに全力で神に祈ろうと、いくら気象庁に賄賂を贈ろうと(そんな財力無いけど)夏になれば夏はやってくる。それが夏ってもんだ。

だったら夏しか出来ない夏の釣りを思う存分に楽しんで夏と折り合いを付けるのが正しい夏の過ごし方だ。

またやろう。

そして次回予告、「夏の風物詩、東京湾夏タチウオ」をお送りします。
お楽しみに~。
んっが、ぐっぐっ。