もやしワンタン麺後休日出勤・・・渋谷「喜楽」
軽く腹拵えをしようと向かったのは百軒店の「喜楽」だ。
途中道玄坂で、スタ丼インスパイア丼と二郎インスパイアラーメンを両方出す「直政」という店を見つけた。
若干気にはなったが、その節操の無いパクリ方は真面目なインスパイア店をも侮辱するような“形だけ”の店である可能性を拭えない。
ただでさえ憂鬱な休日出勤に無用な冒険は不要だ。
そんな訳で当初の予定通り喜楽へ到着。
半端な時間であるにも関わらず、店内はそこそこの人で賑わっていた。
ラーメンはトレンドと言うか、流行り廃りが激しい食べ物ではあるが、日本有数の繁華街に位置する個人経営のラーメン店で、何十年にも亘り安定的な人気を博しているということは、実は最も凄いことなのかもしれない。
瓶ビールをオーダーしたらグラスの水気を全く拭き取っておらず、洗い立ての状態で提供されたのはガッカリしたが(ビールに対するリスペクトの無い行為は私の好むところではない)、いつものもやしワンタン麺はいつも通りの旨さで非常に満足した。
トレンドがどうであろうと、俺の好みが今後いかに変化しようと、このもやしワンタン麺の味が変わらない限り、我がラーメン・ライフ・ポートフォリオから決して外れることはない味であろう。
「あ～り～が～と～～～。」
食事を終えて席を立つと、それがとても感謝を表す言葉とは思えない口調で店の親父が言った。
このユルイ接客を含めて、この店を愛する。
