雨天曇天晴天・・・7/30野毛屋

曇り時々雨予報の大潮の土曜日。
これは真鯛を狙うしかあるまい。

しかし4時前に起床すると、外は土砂降りの雨。
いや、“土砂降り”という表現では生温い。
それは正にゲリラ豪雨と呼ぶに相応しいとんでもない雨だった。

雨の方が真鯛は釣れると分かってはいてもこの降り方では流石に怯んでしまいしばし呆然とする。

しかし5時を過ぎた頃に急速に雨脚が弱まってきた。よし、行くだけ行ってみよう!

高速を走っていると、途中何箇所か凄まじい雨に出くわした。
ピンポイントに豪雨をもたらす雲が点在しているようだ。

ところが船宿に到着する頃にはピンポイント豪雨ではなく、“絶え間無く降り続く凄まじい雨”に変わっていた。
当然客は少なく、真鯛船は先行者僅かに1名。

とりあえず右舷大ドモの釣座札を取ったが、社長は出船に対してネガティブだったので受付は済ませずに船長の到着を待つ。
ここまで来たからには雨であろうと俺はやる気満々。しかし船が出ないことには釣りは出来ないのだ。

6時半頃に「兄弟船」のBGMにのせて(スイマセン、イメージですよ、イメージ!)御大・キャプテン勇治がのっそりと登場。
そして出船の判断に対して実兄の忠雄社長といきなり口論している。
いわく、
「お客さんが止めるというなら止めるが、自分から止める気は無い。」
「雨は降ったとしても落と潮だけ。上げ潮になったら晴れる。」

はい、私は船長が止めると言わないのであれば止めるつもりは毛頭ないのであります。それでは受付を済まさせて頂きます。

7時頃には雨はすっかり小降りになり、結局3船とも元気に出撃した。
しかし起きてから出船までがやたらと長く感じた一日だ。


この日の最初のポイントは第二海保北側の浅場。
水深は10~20m程しかなく、タイラバには向かないポイントではある。
しかし船長が攻めると言うのなら俺も攻めねばならない。選択の余地はないのだ。

周りには海老スズキ船やマダコ船の姿が見える。
豊かな漁場第二海保。確かに鯛が釣れてもおかしくない。

「ヒットーーーーーー!!!」
船中の視線が、いや、他船の乗員乗客の視線が、いやいや、第二海保の作業員の視線までもがキャプテン勇治に注がれた、そんな気さえする咆哮が曇天の東京湾にこだました。

しかし威勢の良さに反比例するかのように上がってきたのは300g程の小さな真鯛だった。
大物を追い求める海の神、リリースするのかと思いきや、しっかりと生け簀に入れてキープ。
「いや~、今落とし込みで食ってきてさ~、」
“ゴンゴンゴン!”
「船長、こっちもキタ~!」
「ええぇっ!?」
船長の有り難い御託宣を拝聴している時に俺にもヒット!
しかし引きが弱い。
上がってきたのは色こそ赤かったものの、20センチ程のホウボウだった。
このサイズでは食べるところも少ないので迷わずリリース。

するとこの行いに対する見返りなのか、海の神様は次の流しでご褒美をくれた。
“ゴンゴンゴン!”
底から3m巻いたところでアタリ、そしてそのまま食い上げるような感覚があってそのままフッキング!
弱い引きだがこの感触は・・・
お、ハナダイみたいな真鯛だ!
船長も中乗りエストシ君(仮名)も俺のヒットに気が付いてないが、このサイズならタモを使うまでもない。
エイ!っと引っこ抜いて500g程の真鯛を無事キャッチ!
塩焼きにしたら旨そうなのでこれは有り難くキープした。

次の流しでは鋳込みテンビンに豆テンヤという鴨居スタイルで釣っていた中乗りエストシ君がこれまたハナダイサイズをキャッチ。

そして船は第三海保へと移動した。

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右舷貸切状態~~~。

一時は大量のイワシが海遊して、その群れに真鯛が付いている感じだった第三海保、しかし最早イワシの反応はないとのこと。
であれば攻め方も変えねばなるまい。

最もカールしたネクタイをチョイス、そして3mデッド・スロー、その後ミディアムにスピードアップして7m。
このパターンを基本に底から10mを丁寧に探る。
すると程無く、
“ゴンゴンゴン!”
「!」
“ズドン!”
「キターーーーーー!」
2kgに設定したドラグから勢いよくラインが放出される。
紛うかたなき鯛の三段引き、会心のヒットだ!
「船長~~~!」
流石にこれは抜き上げられまい。
中乗りエストシ君(仮名)がタモを持って駆け寄る。
その引き味から2kgぐらいはありそうだと思ったが、中乗りエストシ君(仮名)のタモに収まったの1.5kgあるかないかのメスの真鯛であった。(血抜き後港で計量したら1.2kgだった)
しかし食べて美味しいのはこのサイズだ!

時刻はまだ9時半。

しかし既に塩焼きサイズとまいうーサイズをゲットしてしまった。

あとは大鯛が欲しい!
なんだか今日イケそうな気がする~!(死語)

しかしその後は船中アタリもないまま潮止まり。
船は上げ潮を求めて大根に移動した。

上げ潮がトロトロ効いてくると、頭上を覆っていた雲はすっかり消え、キャプテン勇治の予言通り本当に晴れてきた。流石は海の神!
「な、言った通りの天気になっただろ?気象庁の予報より、自然の力の方が強いんだよ!」
操舵室から顔を出して得意げにキャプテンが宣う。
今日のキャプテンは何時にも増して冴えている。これは本当にデカイのが釣れるかもしれない。

大根にもベイト反応は殆ど無いようで、同じ攻め方を貫く。

しかし根魚っぽいアタリは二度あったが、本命のアタリは無い。


朝の豪雨が嘘のように昼下がりの鴨居沖は穏やかな風が吹き、夏の陽射しが降り注ぎ、海はベタ凪で、絶好の釣り日和。
アタリは無かろうと最高に気分が良く、思い切って繰り出して本当に良かったと幸せを噛み締める。

気持ちの良い沖の昼下がりを満喫してすっかり油断していたが、いつチャンスが訪れるか分からないこの釣りにおいては、本当に油断は大敵なのであった。

5m巻いてアタリが無いからスピードアップして適当に巻いていたら、
“ゴンゴンゴン!”
突如訪れたアタリ。この金属的で明確なアタリは本命だ!
そして
“ズドン!”
「キターーーーーー!!!」
いきなりドラグが音を立てる。デカイか!?
“スポッ!”
「バレたぁーーーーーー!!!」
あああ、今のリトリーブは丁寧さに欠けていた!
イワシがいなくても中層でアタルことはそんなに珍しい事ではないじゃないか!
素早く10m巻いてもう一度着底させ同じ奴を誘う。
しかしそいつはもう俺のジグを追っては来なかった・・・。

・・・無念。

14時半頃に上げ潮が早くも緩んでくると、船は大根を諦め再び第三海保を攻めた。

しかし酷い二枚潮で底立ちが取り難い!
ここでも一度アタリがあったが残念ながらフッキングせず。

潮方は悪くなる一方でテンヤでは底ダチを取るのがやっとという状況になり、そのまま沖上がりを迎えた。

【釣果】
7時15分出船、15時20分沖揚がり

【タックル】
ロッド:ZENITH零式 LIGHT G-TOP L 
リール:DAIWA RYOGA BAY JIGGING C1012PE-HWL
ライン:PE1号、ハリス:フロロ5号

【本日の総括】
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朝の1時間半で2枚釣れて、こりゃ5枚ぐらい釣れちゃうんじゃないかと期待したがそこは観音崎真鯛、そう甘いものではなかった。

もうちょいデカイのが欲しいところではあったが、まあ2枚釣れたらこれ以上の贅沢は言ってられないのがこの釣りだ。

かなり苦戦が続いていた野毛屋エビタイ船だが、今回の大潮回りからかなり上向いてきたような感じだ。

次の大潮でデカイの釣れるかな?

いよいよ熱い季節が始まったのかもしれない。