節電・・・ラーメン大 蒲田店

「最近野菜不足だから二郎(系)行こう」というのは自己正当化の常套句。

まあこの日も正にこのパターンで、ラーメン大にやって来てしまったのだった。

節電の為にカウンターの中以外の全ての照明を落としていたラーメン大蒲田店、厨房だけが明るいその様子はまるで舞台のよう。さながらラーメンを作る店員は役者で、それを取り囲む客は役者のパフォーマンスを見つめる観客だ。

雑誌を読みながらラーメンを待っていると、「どうぞ。」と店員から声がかかる。遂に緊張と待望の瞬間、無料トッピング・コール・タイムが訪れたのだ!
「野菜多めに脂・・・。」
店内が暗い影響だろうか、トッピングを告げる声が何故だか戦場カメラマンの渡部陽一のように暗く抑制されたトーンになってしまう。

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お陰で私の意図するところが店員に上手く伝わらなかったようで、提供されたラーメンの野菜の量は全くのノーマルであった。

感覚的に言えば二郎は登山に似ている。
その野菜の山と対峙する時、人は相応の覚悟と心構えが要求される。故に完食した時に通常の食事とは異なり、満足感ではなく達成感が生じるのだ。

この日はそんな覚悟も心構えも肩透かしを喰らった恰好で、それでも普通のラーメンに比べたら随分とボリュームがあるはずなのだが、完食しても達成感がなく、物足りなさすら感じてしまうのだった。

達成感のない二郎。
それは踏破出来なかった山であり、本命の釣れなかった釣りであり、果たされなかった希望である。

食事に達成感を求めることが正しいことなのかわからないが、果たされなかった希望は近日中に果たす必要があることだけは間違いない。