DRIVING AND CRUISING・・・3/6野毛屋

目が覚めてまずしたことは、東京湾海上での風速を調べることだった。

何しろ前日の天気予報によれば南西の強風が吹くことになっていた。

剣崎で南西14m(*_*)
しかし観音崎では北風2m(?_?)

これは一体どういうことだろう?
まるで低気圧の中心が観音崎にあるかのような風向きだが、北風はそよ風程度で数キロ南では西南暴風というのが(実はよくあることなのかもしれないけど)不可解だ。

とりあえず行くだけ行ってみよう。

通い慣れたルートを辿り6時頃に船宿に着いたが、予報が悪いせいか客の出足は鈍くアオリ船の先行者は4人程で四隅意外は空いている。

とりあえず左舷トモ二番手の釣座を確保し、出船を待った。

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水垢が出て来たとの情報を受け、いつもの先発エギにグロー・カラーを加えた。

定時に出港した船はいつものように東京湾を南下した。

観音崎まではスイスイと順調なクルーズだったが、あるポイントを過ぎるとまるで何かのスイッチが入ったかのように海は急変、深いウネリが次々とやって来て船は徐行を余儀なくされ、殊更深いウネリがやって来た時には完全に停止してそれをやり過ごした。
船は完全に遊園地のアトラクション状態に陥り大揺れ、スリルと衝撃が半端ない。

久里浜の手前で突如停止した第二忠丸、変な所で止まったものだと訝しく思っていたら、すぐ目の前にウイリー五目船の第三忠丸が停止していた。
聞けばエンジントラブルで自力走行不可状態に陥っているらしい!

どうやら復活の見込みは無いらしく、結局第二忠丸が第三忠丸を曳航して一旦帰港することになった。
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ロープを投げる俊之船長、受け止める中乗りエストシ君(仮名)、嗚呼美しき兄弟愛。

しかし大シケの中の曳航は大変、人が歩いているのと変わらないような速度でノロノロと進んでいたが大きな波に煽られて船が上下に激しく揺れると、その衝撃で度々ロープが外れてしまうのであった。

観音崎を過ぎると行きと同じで海は凪ており、そこからはスイスイと進んだものの、それでも八景までは2時間を要した。
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只今曳航中。

平潟湾へ続く運河を最徐行で進んでいる時に、俺の名を呼ぶキャプテン勇治の声が聞こえた。
操舵室の前まで行くと、
「どうだろう、落と潮の時間逃しちゃったし、これから更に西風が強まる予報だし、今日はこのまま中止にしようと思うんだけど・・・。」
確かにあのシケの海に再び繰り出すのは気が引ける。勿論異存などあろうはずはない。

こうして一人一人の乗客に同じ話をして了解を取り、このまま終了となった。

ツイてないと言ってしまえばそれまでだけど、まあ得難い体験をしたと言えなくもない。

帰り道に給油のついでに汚れまくっていた愛車を洗車してもらい、サッパリとした気分で帰宅した。

そしてビールを飲みながらテレビで福田和子のドキュメンタリー番組を観て、ダラダラと休日を終えたのだった。

冷凍庫のアオリのストックも無くなっちゃったし、来週こそは沢山釣りたい。

この時点では週末に悪夢のような震災がやって来るなんて当然だけど予想だにしていなかったのだ。