最終戦・・・10/9野毛屋

開幕する釣りモノもあれば、終わってしまう釣りモノもある。
こういう“季節感”もまた釣りの魅力の一つである。

しかし個人的には非常に困った状況に追い込まれていた。
何故ならば野毛屋釣船店のエビタイ船が10月13日をもって今期の終了を宣言したからだ!
今期ここまで乗船5回で本命ゼロと連敗街道まっしぐら、このままではシーズン通してゼロで終わってしまう!

天気予報は悪かったがなりふり構ってられない俺は、三連休初日の10/9に野毛屋へ向かった。

プチ・ハプニングがあって船宿に到着したのはいつもより遅い6時半頃だったが、予報が悪いせいか客の出足が鈍くまだ両ミヨシが空いていたので左舷ミヨシの釣座札を取って受付を済ませ、いざ最後の戦場へ!

予報では雨は午後からのはずだったが、まるで何かの暗示のように出船と同時に大粒の雨が降り始めた。

10m程度の風が吹いていてそこそこに波もあり船は徐行運転気味、敵は雨だけではないらしくどうやらタフなコンディションになりそうだ。

現着してみればポイント周辺は土砂降りの雨。参ったな~。
しかし開始してものの2、3分で左舷トモ二番手でいきなりのヒット、竿がイイカンジで曲がっている!やり取りの末に上がってきたのは2kg弱の本命だった。
この前日にトレードウインズの鯛ラバ船では2人で10枚もの真鯛が上がったというし、今日も活性高いのかも!

・・・。

しかし一向にアタリがないまま時間だけが過ぎてゆく。ああ、過ぎてゆく。
完全防水がウリのGORE-TEX製レイン・ウエアも完璧な防水という訳でなく(完璧な人間などいないようにね…)、徐々に雨水が染みてきた。
すると北風が妙に凍みてきて寒い。
雨にも負けず、風にも負けず、寒さにも負けず、俺は釣りを続ける。しかし真鯛には負けっぱなしだ。


潮流れが緩んできた11時頃、セオリー通りリーリングの速度を上げてみた。
すると直後に、
“ゴンゴンゴン!”
力強いアタリ到来。こりゃ鯛だ!
しかし直ぐにジグのゴムを離してしまったようでフッキングしない。
急いで10m巻き上げて再び落とし込むがダメ。
『ダメだったか・・・。』落胆と共にジグを着底させ巻き始めたその刹那、
“ゴンゴンゴン!”
またきた!そして
“ズドーン!”海面に突き刺さるように竿が入った!
“ヒット-ーー!!!”
竿は激しく叩かれる。間違いなく鯛の引きだ!しかし10m程巻いたところで
“スポッ!”
「スポッ?」
「バレたああああああウワァァ━━━━━。゚(゚´Д`゚)゚。━━━━━ン!!!! !」
ううう、完全にフッキングしたと思ったのに、掛かりが浅かったようだ。

「結構デカイ感じだったのによう。」(船長)
「・・・。」(俺)
「最近そんなバラシばっかりじゃねえかよう。」(船長)
「・・・。」(俺)
・・・返す言葉もない。

潮流れは良く、波も濁りもある海に天気は雨。
鯛が釣れそうな条件は揃っていたのだが、朝一の1枚のみでその後は誰も釣れない時間帯が続いた。

午後になると上げ潮が流れ始めた。

最初はトロトロだった潮も1時頃からは結構な速さになってきた。
左舷ミヨシに陣取る俺は完全に潮先、チャンス到来だ。

観音崎沖70mの深場に見切りをつけた船は、第二海保南の40mを攻めた。その直後のことだった。
底から3m程巻いたところで
“ゴンゴンゴン!”
キタ!
中々フッキングしないで焦れたが、5m程巻いたところで頭を振る鯛独特の引きを確認、どうやら小型真鯛がヒットしたようだ!
「お~い、掛かったぞ~!」
大声で中乗りエストシ君(仮名)を呼ぶキャプテン、そして
「最後まで気を抜かずに真面目にやれよ!バラシてばっかりなんだからよう!」
「・・・。」
何故か気合いを注入される俺。自分では真面目な人間であると信じているのだが、どうやらキャプテン勇治には不真面目な人間だとインプットされてしまったようだ。
全く抵抗されることの無いまま海面に姿を現したのは塩焼きサイズの真鯛
エストシ君(仮名)に取り込んでもらうと、フックがしっかりと口を貫通していた。
狙っていた真鯛とは随分掛け離れたサイズの獲物だけど、一般に小型の鯛をタイラバで釣ることは難しいと言われているので、釣れてラッキーと言えるのかも知れない。
そして気が付けばこの瞬間、タイラバの連敗記録に終止符を打つ事が出来たのだった。
嬉しいよりもホッとした、というのが正直な感想だ。

その後沖上がり直前にも小型真鯛と思しきアタリがあったのだが残念ながらフッキングせず、そのまま終了となった。
イメージ 1

帰港途中、船室にて撮影。マッタク、酷い雨だ。

【釣果】
7時15分出船、15時30分沖揚がり
真鯛1枚(500g前後)

【タックル】
ロッド:ZENITH零式 LIGHT G-TOP L 
リール:シマノ カルカッタ・コンクエスト301F
ライン:PE1号、ハリス:フロロ5号

【本日の総括】
型には満足出来なかったものの、ようやく長いトンネルを抜けた感じ。
兎にも角にも正真正銘、東京湾真鯛だ!
イメージ 2


塩焼きサイズではあったが、折角なので刺身でいってみた。

イメージ 3

若干身が柔らか過ぎたけど、旨かった。


・・・と今期のエビタイ船を有終の美をもって締め括ったはずであったが、翌日の野毛屋エビタイ船の釣果を確認したら、
「!!!」
なんと船中1~6枚、しかも平均で2.5kgと良型揃いじゃないですか!
1日違うだけでこうも様子が変わってしまう、これも釣りの恐ろしくも奥深い一面だ。

型は見た。あとはサイズの問題だ。
連休最終日の予定が大きく変わろうとしていた・・・。

つづく。