最強のつくね・・・赤羽「米山」

語弊があることは充分に承知しているが、それでも敢えて言えば閑職(と少なくとも自分は思っている)に追いやられて早半年。

大いに戸惑いはしたが、身の処し方も徐々に学んできた。

午前中仕事が無いなら家事をこなしてから出勤すれば良いし、午後からヒマなら早退して飲み屋探索をすれば良い。
それでも暇だったら有休とって大海原へ繰り出せば良いのだ。

シンプルでわかりやすい。


15時半に本郷で仕事を終えたある日、会社へ戻っても特にやることが無かったので丸の内線で池袋へ向かい、タワーレコードでCDを、その後上州屋でメタルジグを買った。
平日の夕方ともなれば学生達で賑わっていてもよさそうなタワレコは閑古鳥、一方で上州屋池袋店は仕事の合間に買い物に来たと思しきオヤジどもで満ち溢れていた。
ユース・カルチャーとしての音楽の衰退を再認識すると同時に、趣味にかけるオヤジどもの情熱に恐れ入った。

相対的に見れば年をとるにつれ可能性はどんどん限定的になり、残り時間はどんどん短くなる。
だからだろうか、(安易に世代間ギャップを一般化するのも気が引けるけど)会社を見渡してもいまだにCDを買いあさっていたり趣味に没頭しているのはオヤジの方が多く、若い世代の方が音楽に疎くて趣味が無い人間が多いような気がする。
まあ気のせいかもしれない。
或は単に俺が年をとり、若い世代と上手くコミュニケーションが取れていないだけなのかもしれない。


買い物を終えると埼京線に乗り込んで赤羽へと向かい、立ち飲み屋「いこい」で瓶ビールと煮込みをオーダーして読み掛けの小説を読んだ。
この「いこい」、開店は朝の7時というとんでもない立ち飲み屋だ。しかも中瓶が390円、煮込みが110円、俺のオーダーはワンコインで済むという破格のプライス!

その気になって探せば昼間から呑める店はいくらでもあるし、安くて旨い店もいくらでもある。

「いこい」で一息ついた後は、同じ赤羽にあるやきとんの名店、「米山」へ向かった。
ここは俺がやきとんとホッピーに目覚めた店で、今を遡ること7~8年前に不純異性交遊の関係で赤羽に入り浸っていた時期が2年程あり(I'm only joking)、その頃は週一ペースで米山に通いまくった。

今でも時折無性に食べたくなる。
イメージ 1
このつくねが・・・。

胡椒がピリッと効いていて、そして後味は何故だか甘い。軟骨が入っているので歯ごたえもよく、これに七味をたっぷりかけると串1本でホッピー1杯飲めちゃうような激ウマかつデンジャラスな一品だ。

そういえばこの日は半焼きメニューが定番のレバー、ハツに加え、カシラ、タン、チレがラインナップされていた。余程新鮮なモノが入ったのか、それともレギュラーメニューに加わったのかは定かでない。
勿論一通り食べてみたが、言うまでもなく全て強烈に旨かった。


しかし凍らせたホワイトリカーを使ったここのホッピーは後からくる。
他所で飲むホッピーに比べ相当にキク。

そんな訳で座って帰りたかった俺は最短ルートを使わずに、京浜東北線南行電車に揺られてノンビリと帰った。
この日ばかりは流石に蒲田で降りて飲み直す元気などなかった。

…。


自分を自分たらしめているモノだけを大事にしよう。

余計なモノやらヒトやらに煩わされているような余裕も残り時間も無いのだから。