悪夢のデビュー戦・・・2/28野毛屋

起きた時には曇り空だったが、家を出る直前から雨が降り始めた。

車を走らせているウチに雨脚はどんどん強くなり遂にはワイパーを最強にする始末、おまけに野毛屋に到着してみれば不吉な風まで吹いていた。


ウイリー船とアオリ船は来客なく休船となったが(真っ当な判断だ)、DDVセンパイと俺意外にも物好きが5人も集まったフグ船は大雨、強風、高波の中をヨロヨロと出港したのだった。
W本厄の我々、そしてDDVセンパイのフグ・デビュー戦にはある意味うってつけの天候と言えるのかもしれない。

「30分程走る」とアナウンスがあったが、強風と高波が行くてを阻み徐行を強いられた結果、現着まで40分以上かかった。
船の最後尾で揺れと格闘しながら甘海老の殻を剥いていたが余りの揺れの激しさに早々に殻剥きを諦めただの廃人と化していた我々も釣座に戻ると、とんでもない北東よりの風が吹いていた。
こんなんで釣りになるのかと思っていたら、「ちょっと風が強いんで風裏まで2~3分走ります」とアナウンス、そして最初に止まったポイントより若干波風の少ない(とは言え相当なもんだけど…)場所でようやく実釣開始!

エサの付け方をDDVセンパイに教え(って俺も2回目だけど…)、さあ始めようと思った途端、右舷ミヨシでいきなり本命が上がった!

お、これは期待できるかな?と思ったもののその後が続かずポイント移動。

しかし15m前後の浅場を攻めているというのに、強風に竿が煽られ、高波が船を上下に揺らし、底ダチがとりにくいったらありゃしない。
ラインを出しすぎてカットウが動いていない時にエサを捕られちゃうようなことが何度かあり、ここを克服せねば本命は拝めまい。

最初の流しではアンカーを下ろさず下げ潮に乗せて船を流していたが、移動先ではガッチリとアンカーを下ろしてじっくり同じポイントを攻める。
すると左舷ではポンポンと釣れているようだが、我々を含む右舷4人の竿は頑ななまでに沈黙を続けた。
そして切れ目なく降り注ぐ雨と強風。2週前のミゾレの中でアオリ釣った時と甲乙つけ難いタフコンディションだ!

左舷でもアタリが止まると、船はアンカーを上げて再移動。
移動中に潮がバシャバシャと掛かり、携帯で写真を撮ることもツイッターで呟く事も出来ない阿鼻地獄なう、って感じだ。

波風の中でもなんとなく底を取る感覚が掴めてきた。
すると魚のアタリのような違和感もなんとなくわかるようになってきた。「あれ?なんか触ったかな?」と思って仕掛けを上げるとエサが取られたり齧られたりしている。

そして“なんだかいけそうな気がする~~”と心の中で密かに吟じた直後、
“グンッ!”
しゃくった途端に竿がしなった!
一気に巻いて抜き上げたのは本命のショウサイフグだ!

何かコツを掴んだかもしれない。

その次の流しでも、底ダチはちゃんと取れた。
そしてもたれるような違和感を竿に感じアワセてみたら、
“グンッ!”
“又喜多嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼!”
連チャンでゲット!
午後から陽気は回復する予報だし、この調子で行けば今宵は豪華フグ・フルコースを堪能できるのでは!?

“キタアアア!”
暴風の風切り音とフードを叩く雨音のせいで聴覚は奪われていたが、空耳のようなかすかな北方を示すDDVの声が聞こえたきがして隣を見ると、
「!」
DDVセンパイ、人生初のグーフーを釣り上げてます!

「なんかアタリが分かってきた!」とこちらも何かを掴んだようなDDVセンパイ、さあ、共に我らの黄金期を築こう!そう思った瞬間、

「すいません、なんか大津波警報が発令されて海上保安庁から釣りの中止を命じられたんでこれで揚がっていきます。」

えええ!?

唐突なSTOP FISHING!これがW本厄の負のツイン・パワーの真骨頂か?

確実に魚は居たのに、そして確実に何かを掴み始めていたのに、そしてこれから陽気が回復するというのに、なんともあっけない幕切れであった。

イメージ 1

平潟湾に係留されている船の一部は沖に避難していた。

【釣果】
7時15分出船、11時沖あがり
ショウサイフグ2尾

【タックル】
ロッド:マニアス・フグリミテッド170
リール:カルカッタ・コンクエスト301F
ライン:PE1号

【本日の総括】
…。

……。

野毛屋60余年の歴史の中でも、津波警報発令による早揚がりは初めてのことなのだそうだ。
ある意味貴重な体験ができたかな?

帰港と同時に雨は止んで風は凪、自宅へ向けて車を走らせていると雲が切れて陽射しが出てきた。

なんか口惜しい!

スマート・ルアーマンの我々には向かない釣りかもしれないけど、こりゃリベンジしない訳にはいかないよね、DDVセンパイ!

でもイカも釣りたいしなあ…。