2010年初試練・・・1/4野毛屋

昨年11月にイカ釣りデビューしたものの丸ボウズに終わってしまった我等がバンドのギタリストfIVEさん(39)がリベンジを果たしたいと言うので、初釣りから中二日でまたしても野毛屋のアオリ船に乗ることに。

ナイーブさと飽きっぽさに定評のあるfIVEさん、2回連続でボウズ喰らったらもう二度と遊んでくれないかもしれない。
そんな訳で今回の俺の任務は東京湾イカ業界の発展という観点においても非常に重要なのだ。

風は北風予報、潮はほぼ終日落と潮で、完全なトモ流れとなることは明白、俺はfIVEさんの為に潮先の釣座を確保するべく5時40分に船宿に到着。

しかし!今日から仕事初めという企業も多いだろうから空いているに違いないと踏んだ俺の目論見は見事に外れ、アオリ船の先行者は既に10人!
四隅は勿論トモ側は左右とも4番手まで押さえられており、やむなく俺は左舷ミヨシ2番手と3番手の釣座札を取ってfIVEさんの到着を待ったのだった。
イメージ 1

結局16人もの客が乗った。

定時に出船した第二忠丸が最初に向かったのは房総半島寄り、富津~竹岡間だった。

こまめに筋目を変えて流し変え、乗らないと見ると南下してまた筋を変えつつ探る。
水深も20m台の浅い場所から50m近い深場まで探る。
探って、探って、探りまくる。
しかし急に下がったという水温の影響か、もしくは潮の流れが足りないのか、イカからのコンタクトが殆どない。
アオリの活性に正比例してfIVEさんの活性もどんどん下がっているように見える。
まずい、これは非常にまずい!

なんとか“頑張れば釣れる”ということを証明しようと俺は必死にしゃくった。
すると10時頃ようやく、
“ドンッ!”
「キタアアアアア~~~!」
“フッ!”
「バレタアアアア~~~!」
チップか!?しかしハッキリとノリを感じたのになあ。不思議に思って仕掛けを
回収してみたら、
「!!!」
中オモリから下のハリスが無い!
どうも前夜、ワイン飲みながらEキモチになって作ってた仕掛けのノットが甘かったようで、イカが乗った重みで解けてしまったようだ!
こんなみすぼらしいバラシは初めてだ!更に初釣りで5杯釣ったアタリ・エギまでロストするというおまけつき、fIVEさん以上に俺の心が折れてしまいそう・・・。

酔った勢いで仕掛けなど作るものではないな。
俺はまた一つ失敗から学んだ。

そして不利な釣座で心が折れた二人がいくらしゃくろうとも、イカさん達はそんなへなちょこのエギに乗ってくれるほど甘くない。

余りのノリの悪さに痺れを切らした船長は11時前に剣崎まで一気に南下した。

これが正解で船中ポツリポツリとではあるがアオリとスミイカがノリ始めた。
しかし我々(というのは勿論fIVEさんと俺の事だ)には掠りもしなかった。

・・・。

時間だけがどんどん過ぎて行き、fIVEさんのしゃくりは徐々に弱く、そして間隔が長くなっていった。

・・・。

そして何も起こらないまま気が付けば沖揚がり時刻が徐々に迫ってきた。

無力な俺に出来ることといえば、もはや祈ることだけだった。
俺は神と仏とキャプテン勇治に全力で祈った。
「お願いしますだ、俺は釣れなくて構わないから、せめてfIVEさんに1杯釣らせてくだせえ!」

・・・。

「上げて!」
キャプテン勇治から仕掛けを回収するよう指示があったその直後の事だった。
「おい、ちょっと竿立ててみな!」
キャプテン勇治がfIVEさんに向かって大声で叫んだ。
「!」
すると弧を描いたfIVEさんのマニアス・アオリ・スペシャル350(新品)!こ、これは・・・!
はたしてfIVEさんのエギには瀕死の重体のスミイカが乗っていたのだった!
「さっきからしゃくった時に妙に竿が止まるなあと思いながら見てたんだよ。」
とキャプテン勇治。

生きながら何度も何度もしゃくられたスミイカには、もはや墨を吐くだけの気力も残されておらず、バケツの中ですぐに息を引き取ったのだった。
イメージ 2

午後からはベタ凪、絶好の釣り日和だったんだけどなあ・・・。

【釣果】
7時15分出船、15時沖揚がり

【タックル】
ロッド:マニアス・アオリスペシャル350
リール:スピードマスター201
ライン:PE2号、ハリス:フロロ6号

【ヒット・ルアー】
・・・。

【本日の総括】
天国と地獄。
2日前の初釣りでは5杯の本命を釣り上げたばかりだというのに、今年二度目の釣行は一転、外道すらノラナイ丸ボウズに終わってしまった。
でも同行のfIVEさんは本命ゲットならずも人生初のスミイカを釣り上げ、最低限の任務は果たすことができたかな?
あらゆる魚介類の中でイカが最も好きだというfIVEさん、一度でも自分で釣ったイカを食してしまったら、また釣りに行きたくなることは必至なのだ。

さて食材確保に失敗した俺は帰りに南六郷の温泉銭湯に立ち寄り、芯まで冷えた身体を温め、汚れと悔しさを洗い流した。
ボウズだからこそ獲物を捌く必要もなく、それ故に急いで帰る必要もない。たまにはこんな日があってもいいじゃないか。(スイマセン、負け惜しみです。)

イメージ 3

猫はイカ食べられないんだから、たまにはカワハギ持って来て下さいよ!・・・実家の猫・談

よし、わかった!次はお前の為にカワハギを釣ってきてやるからな!待ってろ!