解禁宣言・・・12/16羽田かみや

「趣味は何ですか?」
と尋ねられれば、
「バンド活動とルアー・フィッシングです。」と答える。

最近めっきり音楽を聴かなくなってしまったし、音楽に対する情熱も以前に比べれば冷めてしまったように感じるけれど、それでもバンド活動は別物だ。
メンバーそれぞれが曲を作って持ち寄り、オリジナル楽曲を仕上げていく過程にはえもいわれぬ興奮と楽しさがある。
80年代のロックとハードコア、それに自作曲というのが最近の俺のiPODの中身だ。

そしてルアー・フィッシング。
今を遡ること6年前。
高校大学時代の友人(仮にA君)に半ば無理矢理誘われ栃木の加賀フィッシングエリアに連れて行かれたのは2003年の秋のことだったように記憶している。(あれ?2004年だっけな・・・)
生まれて初めてのルアー・フィッシング、キャスティングもままならなかった俺は終了間際に小さなブラウン・トラウトを1尾釣るのがやっとだった。
でも晴れた空の下で飲むビールの旨さと、早起きをして遊ぶ事の健全さ(当時かなり夜型偏重の生活が続いていた)に惹かれ、“誘われれば行く”程度に数ヶ月に一度位のマッタリ釣りライフは暫くの間続いたのだった。

そんな俺が釣りにのめり込むようになったのは同じ友人(仮にA君)と行った白河フォレスト・スプリングスがきっかけだった。

風光明媚な環境、綺麗な施設に旨いメシ、魚は全然釣れなくとも俺は感動すらしていた。

全く釣れないまま時だけが過ぎ、それでもそれなりに楽しんではいたのだが、営業終了時間が迫ってきた夕方頃、俺は人生を変える1尾と出会ってしまったのだった。

それは50センチを悠に超えるドナルドソン・トラウト。俺がそれまで知っていたニジマスとは全く別の魚だった。あの安物のタックルで初心者がよく上げられたもんだなあ、と今更ながら思う。

今までに体験したことのない強烈な引きはそれから数日の間度々フラッシュ・バックし、ランディング・ネットに入りきらない巨体は脳裏に焼き付いて離れない。

「また釣りに行きたくてたまらない!」
誘われれば行く程度の受動的アングラーから、能動的アングラーへと変貌した瞬間だった。

それから俺は今はなき管釣り専門誌「ヒレピン!」の購読を始め(毎号発売日に買って隅々まで読んだ)、村田基管釣りDVDを購入して何度も何度も繰り返し見て、まるで乾いたスポンジが水を吸収するかの如く釣りの知識を急速かつ貪欲に吸収して行った。

会社の保養所が近くにあることも幸いし、それからは白河フォレストに結構な頻度で通った。

大物釣りの聖地・鹿島槍ガーデンにも度々通うようになった。

そして2006年、自宅から1時間足らずの場所にあの白河フォレストを経営する林養魚場直営の開成水辺フォレスト・スプリングスがオープンした後は、それこそ狂ったようにそこに通い始めた。

2007年の釣行日数は実に71日に及び、それまで年間2~3000km程度だった車の走行距離は10000kmを超えるまでに至った。

ただの金属片に過ぎないスプーンや、おもちゃみたいなプラグ。こんなもので魚が釣れるということが面白くてたまらなかった。
一部のトップウォータープラグを除けばルアーというのは自分で操作しないと魚は釣れない。その非効率であるが故にゲーム性が高いという部分に強く惹かれた。

最近では理由あって管釣りとは半年以上疎遠だが、主戦場を海に移してからも基本的にはルアー・フィッシングを好む傾向に変わりはない。
餌釣りをやらない訳でもないし、否定するつもりも毛頭ないが、“その前にやるべき釣りが多過ぎてそこまで手がまわらない”という感じだ。
会社の先輩にアジ釣りやコマセ真鯛に誘われることもあるが、今はまだその時ではないと、丁重に断っている。まだ暫くは今後の楽しみにとっておきたい。


ところが、カワハギである。

こんなトラウトよりも小さく、見た目も滑稽な魚相手に何で熱くなってしまうのか?

この日俺は初めての船宿、羽田かみやのカワハギ船にDDVセンパイと共に乗り込んだ。

一流し目からワッペンサイズを釣り上げ、その後10時までの1時間半で4枚釣れた。
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写真とってリリース。まだ余裕があったな、この時は…。

宙層からの誘い下げで釣れ、タルマセからの聞きアワセで釣れ、テンション・ゼロできたアタリを送り込んで針掛かりさせた。
これは何か掴んだかな?と思ったのだが、それは全くの気のせいだった。

上げ潮が流れ始めると、俺は外道しか釣ることが出来なくなった。

たまにコンコン!っとくる本命のショート・バイトをのせることができず、のってくるのはブルブルブル!っとくるトラギスのあたりばかり。
それでも常連さんと船長はポツリポツリと本命を上げていく。

結局終わってみればトップ16枚、ハギ釣り2回目のDDVセンパイ5枚、俺は朝釣った4枚で終わり、屈辱のスソとなってしまった。

やはり餌釣りには向いていないのかな…。

竹岡から羽田までの1時間の長旅の間、落胆と混乱と諦念と義憤と自己憐憫と自己嫌悪と今日の野毛屋第二忠丸の釣果の事を考え感じながら悶々としていた。
やはり餌釣りにうつつを抜かしたりせず、ルアー・フィッシングに精進した方が良さそうだな…。俺は一度に何種類の事が出来る器用さは持ち合わせていないのだ。
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羽田空港に着陸する飛行機がが間近に見えるド迫力!

沖揚がり後、船宿が用意してくれた豚汁を飲んでひと心地ついたが、嫌な気分を払拭する為帰宅途中に六郷の温泉銭湯に立ち寄って汚れと共にネガティブなマインドを洗い流した。

そして幾分さっぱりして帰宅すると、早速カワハギ料理に取り掛かる。

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捌きだけは慣れてきた

旨い。
やはり冬の東京湾のカワハギは格別だ!

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船上でカワハギ業界からの撤退を一時考えたものの、徐々に悔しさが募ってきた。

このままでは終われない。

という訳で餌釣り解禁宣言!今年はアオリの調子も悪いし、ちょっと真剣にカワハギと向き合ってみようと思うのだ。

【釣果】
7時半出船、14時50分沖あがり
カワハギ4枚 (外道多数)

【タックル】
ロッド:TRANSEAカワハギ175タタキH
リール:カルカッタ・コンクエスト301F
ライン:PE1号

【本日の総括】
難しいですな~、カワハギ釣りは!
腕の差がキッチリでますな~、カワハギ釣りは!

何も考えない朝のうちにポンポンっと釣れ、迷宮に迷い込んで悩みまくると全く釣れず、技術や論理に加えてメンタル面も影響する釣りなのかもしれない。
参ったな、メンタル面の弱さに定評のあるボクとしては…。

ところで羽田かみや、我が自宅から高速を使う事無く30分足らずの距離にあり、船宿の雰囲気も非常に良い。こんな身近なところにこんな宿があったなんて…。
まさに、トウダイモトクラシー、これからはガンガンお世話になっちゃう所存でゴザイマス。